約 7,634 件
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/300.html
voice.1 俺にとって世界は家と会社とテレクラとロボット達で出来ている。 会社では毎日上司に小言を言われ、 得意先にはペコペコ頭を下げてまわり、 女性と会ってもオタクとバカにされる。 そんなしがらみの多い世の中で俺は仕方なくやり過ごす。 その少女と出会うまで、そう思っていた。 その子と会った時から、世界は俺が思っていたより もっと不思議で、バカバカ言い合えて、 甘ずっぱくて、笑いあいたくなるような途方もなくお値打ちの、 とにかく、俺が考えていたのとはまるきっり違うものだった。 voice.7 この先もずっと… 俺は好きな人に気持ちを、言葉で伝えなきゃいけないんだ。 俺の心の中は、誰にも見えないんだから… 俺は子供の頃に憧れたヒーローの様にはなれないかもしれない。 でも、目の前の大事な人に手を差しのべることは いつだって… 出来るんだ。 voice.9 あんなに悲しませたのにニコ(ロボット達)の所に帰ってきた。 失恋の痛みと、懐かしさと、 一番大変な時に傍にいれなかったすまなさと、一緒に。 俺が握手をしようとするとニコは黙って微笑んでいた。 ニコが笑うと、世界が変わる。 ニコが笑ってくれると、俺の世界が鮮やかに動きだす。 それはとてもうれしい事だから。 だから… 泣かないで。 voice.10 「そっか、それがニコの幸せか!」 お金が欲しいとか、美人になりたいとか、誰にでも判る幸せとは違う、 ニコの本当の幸せ。 俺とニコとは趣味が違っていて、年齢も離れていて、 だから世間からも色々言われる事もあって。 ニコの幸せが叶えばいいのにと思う。 それを見守れたら…。 でも多分… ‥だろうなぁ。 last.voice. ”地蔵堂”が無くなって俺はニコと出動する事が無くなった。 俺が最後にニコと話をしたのはいつもの道で… 喧嘩したわけでも無いし、引っ越したわけでも無いから。 たぶん、俺はいつでも会えると思っていた。 その後、一度だけニコに電話を掛けた事がある。 風邪と薬の眠気で意識も朦朧としていたからよく憶えていないが。 「ああ俺…、(マックスロボも、一海ちゃんの事も)もう大丈夫だからね。」 「もしもし」と、訝しげな女性の声 「あっ、間違えました。ごめんなさい。」慌てて電話を切った。 焦りながらも掛け直してみる。 「(あッ、ニコ。オレと一緒に)…また遊ぼうな!」 返事もなく電話は切れていた。 どうしても声を聴きたくて、今度は黙って待ってみた。 「もしもし。……………、ありがとう。」 男の声で感謝された。 あれが夢か現実か、電話が繋がっていたのかも今は解らない。 ただ耳のイイ、ニコだからきっと何処かで俺の声を受けとってくれるはずだ。 そして、携帯は前に寝呆けて録音していた「ロボ出動だよ!」の声と ニコの番号ひとつだけを残して突然壊れてしまった。 最近、晴れていると何気なく夜空を見上げている。 社長とよっちゃんはあの流れ星の様に俺達の前から消えた。 きらめく星を見ているとニコを想い出し優しい気持ちになれる。 思い出はダイヤモンドで出来た星みたいだと思った。 どんな時もきっと、忘れる事は無いだろう… 夜空の星のように何十年後、俺とニコは急接近するのだろうか? ニコが信じてくれたから俺はずっと愛と勇気と正義の使者でいようと思う。 そして今も壊れた携帯はマックスロボと共にある。 何故なら、 この携帯に『素敵な声』を響かせてくれるのは、宇宙でニコだけだから。 *****(終わり)
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/387.html
朝、ぼんやりと目を開けると部屋の様子がいつもと違っている。 カラフルな模様の布団。フリルのついたクッション。ぬいぐるみ。 ロボット達はどこ? 一瞬で目が冴えて、がばっと起きた。 お、俺、なんで女の子の部屋に?身に覚えがないよーー! パニックになっていると「やっと起きたの?」と言いながらTシャツに短パン姿の 一海ちゃんがやってきた。 「か、か、か、かずみちゃ~ん!? なんでっ!?」 驚いて腰を抜かし、口をぱくぱくさせる。うそっ、もしや、一海ちゃんと、そんな 「ニコ、なにやってんの?」 はあ?ニコ? そうだ、ここニコの部屋じゃん!ていうか、今の俺の声。まさか。 おそるおそる、鏡で自分の顔を見る。 「うわぁぁぁ ニコだーーーーーーー!!!」 「はぁ?何言ってんの?あんた大丈夫?」 一海ちゃんがずいっと近づいてきて、自分のおでこと俺のおでこをくっつけた。 だぼっとしたTシャツの間から胸の谷間がチラりと見える。 「はぅあーーーーー!!!」普段の俺なら嬉しさMAXな状況だが、あまりにたまげた事態の連続で、 悲鳴を上げて飛び退く。 「熱は無いみたいだけど…なんか今日おかしいよ。」 俺は混乱する頭の中で必死に考えた。とにかく、理由は分からないが俺はニコになっている! ということはたぶんニコが俺になっているはず! 「だ、大丈夫、ちょっと寝ぼけちゃったみたい。」 「早く着替えて、朝ご飯食べて。」 そうだとにかく着替えて俺の家に行こう、着替え… どどどどーするよ、どーするのよ俺。 一瞬、裸の少女が鏡の前に立つエロティックな情景が脳裏をよぎった。 うわーうわー。もしかしてこれって結構エッチな状況なんじゃ… すぐに笑ったニコの顔が頭に浮かんだ。駄目だ駄目だ、愛と勇気と正義の使者が 変なことを考えちゃ。 俺は適当にTシャツとジーンズを箪笥から引っ張りだして、目をギュっとつぶったまま着替えはじめた。 下着どうしよう、いろんな意味で難易度高すぎる!と思ったけど、 幸いスポーツブラらしきものをパジャマの下に身につけていたので、そのまま上からTシャツを着た。 「ニコ、朝ご飯は?」 「俺、いやアタシ、食欲ないみたいですの。出かけてくるわ。ほほほ。」 なんか言葉使いが不自然な気がするけどまあいい。とにかくニコも俺以上にパニクっているだろうと、 いそいで自分の部屋に走っていく。 ドアを開けると、ベッドの上に半身を起こして、呆然としている俺の姿があった。 「ニコ?ニコだよね。」 「ろぼ…?」 俺が俺の声で俺の名前を呼ぶ。なんてシュールな光景。ニコ(?)は自分の顔をみると、 ほっとしたのか目に涙を浮かべた。 「あたし、ロボになっちゃった。どうしよう。」 図体のでかい男がポロポロ涙をこぼしているのを見ると、(といっても自分なのだが) なんとも情けなく、それでいて愛おしいような気持ちになって ニコの(俺の?)背中を赤ちゃんをあやすように撫でてやった。 (そーいえば、俺が泣くとよくニコはこうしてくれるんだ。 なんかニコの気持ちがわかったような気がする…。) 「泣くなよ~。大丈夫だからさ。そのうち元に戻るって!絶対!」 「でも、もし戻らなかったら?」」 「んー その時は、俺になった生活も結構楽しいよ。」 「そんなのぜっっったい やだ!」 「そ、そこまで全否定しなくても…。」 「あたしロボットに興味無いし、会社のお仕事もわからないし。 むーちゃんと一緒に学校行きたい。お父さんとお母さんと一緒に暮らしたい。 自分の体に戻りたい…。ロボがいやなわけじゃないけど。」 「そりゃ俺だってさあ。自分の体に戻りたいよ…。」 一海ちゃんと一緒の部屋で生活するのはちょっと興味あったりするけどさ。 ニコは(ロボは、と言うべきか。もうわけわかんなくなってきた。) 手の甲でぐいっと涙を拭うと微笑んだ。 「ごめん。困ってるのはお互い様だよね。 ロボ、地蔵堂に行こうか。あそこに行けばなんとかなるかもしれない。」 「そっか!そうだね。じゃ、出かける支度して。今、洋服出すから。」 ニコはぎこちなく着替えをした。慣れないサスペンダーの付け方に戸惑っているので、俺がつけて あげていると、うつむいて困ったように言い出した。 「あの、トイレ行きたいんだけど…。」 「え、あ。えぇっ?」 「トイレって、どうすればいいの。男の人…」 「えーと、えーと、チャック下ろして中から引っ張りだして、手で持ってするんだよ。」 「・・・出来ない。」 「やれば出来るって。」 「出来ないよ、そんなこと!」また下を向いて泣き出した。どどどどうしよう。 「え、えーとやったことないけど、女性がふつーに用足しするようにしても、 大丈夫じゃないかな、たぶん…。」 「そう?」ニコは顔を上げると、急いでトイレに行った。 「大丈夫だったよ!…見なかったよ。」 それから急に怖い顔になって 「ロボ、絶対絶対絶対にその格好で立ちションなんかしないって誓って。あと、余計なところ 見たりしないって。したらマジで殺すから。」 「殺したらニコも元に戻れないじゃん。」 「じゃあ自殺する!」 「するなよ~!絶対へんなことしないって誓うからさぁ!」 地蔵堂に着く頃には、ニコは冷静になり、今朝からの一部始終を説明した。 「またまた~。おまえら、芝居打って俺たちをからかってんじゃないの?」 よっちゃんも社長も半笑いで信じてくれない。そりゃそうだ、自分の身に起きなかったらこんな話、 誰も信じないだろう。 「芝居じゃありません!本当に入れ替わってるんです! あたしがニコでこっちがロボなんです。」 だけど、俺の顔したニコが言っても証明のしようがない。 突然、社長は手元の雑誌のグラビアページをバーン!と俺たちの目の前にひろげて見せた。 「え。」 「あ。」 おっぱいぼーんなおねえさんの写真に鼻血を出したのは、ニコの顔の俺。 きょとんとしているのは、俺の顔のニコ。 「なるほどね。」 社長は俺たちの顔を交互に見ながら、「よっちゃん、催眠術の用意をして。」と言った。 俺とニコは並んで寝椅子に横たわった。部屋にはエキゾチックなお香が焚かれ 社長が変な呪文のようなものを唱えている。俺はだんだん眠くなってきて、目が覚めると… 「あいたっ」となりで俺が勢いよく起きあがり、棚に頭をぶつけている。 え? 俺がとなりに? 「うわぁぁぁぁ 戻ってないじゃーーーーん!!」 「本には、術をかけたあと12時間後に戻るって書いてあるわ。」 「12時間!じゃあ今日一日はこのままってこと!?」 「術の効き目が潜在意識に定着するまで、そのくらいの時間が必要だって。」 俺とニコは、ぽかーんとして顔を見合わせた。 「はあ…今日が日曜日で助かった。あと12時間ってことは、夜9時まで。 それまで何事も無ければ…ちょっとロボ聞いてる?何やってんの?」 「ラーメンが… ラーメンが上手く食えない…。」 二人とも朝食抜きで走りまわってフラフラだったので、ラーメン屋に入ってとりあえず腹ごしらえを することにしたのだ。 「なぜだ。箸が使えない!なぜなんだぁ!」 「ああ、あたし左利きだから。左で持ってみて。」 ニコの言うとおりにしたらスムーズに食べられる。俺はなんか新鮮で感動した。 「うわー、面白い、へーえ。左利きの人ってこうなんだ。」 「もう、ノンキだな、ロボは。」 「でもすごくない?こんな経験、滅多にできないよ!」 急に楽しくなってきて、勢いよくラーメンをすする。 ニコ(inロボ)は俺の方をじーっと見つめた。 「ロボから見ると、あたしってちっちゃいんだね。」 「うん、ちっちゃいよ、ニコは。(ズルズル)」 「クラスの背の順だと真ん中へんなんだけどな。 こんな小さく見えるなら、子供にしか思えないわけだ…。」 なんとなく寂しそうな溜息。えっ なんで?? 「でもさ!小さいと草花とか動物とかに近いでしょ。それって結構羨ましいかも。 道に落ちてるお金もすぐ見つけられるし!」 ニコはちょっと笑って言った。 「ロボは星や虹や鳥に近いから、いいじゃん。」 のれんをくぐる時、またニコは頭をぶつけた。「あいたっ」 「もう、気をつけてよ~。俺の頭なんだから~」 「ごめん、なんか距離感つかめなくて。」 二人で歩いていたら、向こうから中年の女の人がやってきた。 「あら、林さん」 「こんにちは!いつもイトコのニコがお世話になってます!」 ニコは急に直立不動で挨拶した。 (誰?) (中学の先生!お願い、話合わせて!) 「そう、林さんのご親戚。」 「はい先生、優しくてかっこよくて愛と正義の使者で自慢のイトコなんです! いつも勉強も教えてくれるんです!こんなイトコがいて最高に幸せです!」 俺は調子に乗って言った。横目でニコが睨んでる。 「じゃあまたイトコさんに教わってがんばらないとね。中間試験の数学、赤点だったでしょう。」 (そうなの?駄目じゃん…) (仕方ないじゃん、かんにん袋の時だったんだよ!) 「はいもう次回はバッチリです!必ずや次こそは!よい成績をおさめてみせましょう! 是非ご期待下さい先生!」 「バカ、余計なこと言わないでよ…。」ニコは頭を抱えた。 「また誰かに会う前に早く帰ろう。元に戻るまでロボんちでおとなしくしてようよ。」 「そうだな。変なことに巻き込まれる前にさっさと家に…」 その時、知らないおっさんがさりげなく俺に近づき、俺の(というかニコの) お尻を撫でると、小走りで去っていった。 「ひゃっ…!」 「どうしたのっ」 「痴漢!あのおっさんお尻触ったっ!」 キモい、マジキモい。涙目。痴漢にあうって、こんなにキモいものだったのか。 ニコは(というか俺は)蒼くなり、キッと前を見ると走り出した。 「待って、どこいくのー?」 「あの痴漢、ぶっとばすー!」 「ええ!? ちょっとーーーー!?」 ニコinロボはマックスダッシュで走っていく、なにしろ俺の足は結構早いので たちまちおっさんにおいつき、えり首をつかんだ。 「ちょっと待てこら!」 鬼のごとき迫力でおっさんに迫るニコ。つ、強い。 「あんた、通りすがりの女の子のお尻触っただろ!警察行くか、警察!」 「な、なんのことです」 「とぼけんじゃないよ。いい大人が恥ずかしいことすんな!」 「すみません、あの、出来心で、すみません。」 「謝ってすむなら警察いらないっつーの!」 「すみません、二度としませんので見逃して下さい。」 まあ、今の状況で警察で事情徴収になってもこっちも困るので、散々謝らせて 反省させた後に解放した。 「すっげー。俺、痴漢に間違えられたことはあっても、痴漢やっつけたのは 初めてだー。なんか清々しい気分~」 「やっつけたのはロボじゃなくて あ た し だから。」 「わかってるって。偉い偉い。」 いつもの通り、ニコの頭を撫でようとしたけど 届かなくて、背伸びして撫でた。 「でも、ロボになってなかったら出来なかったと思う。ありがと。」 俺の部屋に付くと、ニコは「なんかすごく気疲れしちゃったよー。もーだめ。」と 言って、ばたんと寝転がった。 「痛っ 足ぶつけ…た…」 「うわぁ、フィギュアの棚にはぶつからないでくれよぉ。」 「ごめん…」 ニコinロボは間もなく寝息を立てて眠ってしまった。俺は、普段見たことのない自分の寝顔を まじまじと見る。中身がニコだと思うせいか、やけにあどけなく見える。 へえ、俺って目をつぶるとこんな顔なんだ。へえ、首のところにホクロがあったんだ。 他人の目で見る自分ってすごく変な感じだ。 ベッドから毛布を持ってきて、ニコinロボにかけてやる。同じ毛布がなんだか普段より重たく感じる。 今は自分のものであるニコの手を、じっと観察した。薄く脂肪のついた細い腕、 小さな手のひらに丸い爪。 「そっか、これがニコの世界か。」 普段よりも低い視線。か弱い腕力。でも誰よりも強い眼差しで世界を見ているニコ。 俺は好奇心に負けて、胸の小さな膨らみを手で包んでみた。卵から孵ったばかりの雛を手に乗せて いるみたいだと思った。女の子って柔らかい。胸も髪も唇も。 そして、なんでそんなことをしたのか自分でもよく分からないが、衝動的に眠っている ニコの(自分の)手を取って、唇を強く押し当てた。 それから、横になって目を瞑った。これ以上わけのわからない衝動にかられないように。 「ね、ちょっと!ちょっとロボ起きて!目を開けて」 「メロン開けて~?」 「何言ってるのよぉ!戻ってる!あたしたち戻ってるよ!」 「え?」 ドカ!思いっきり足をフィギュア棚にぶつけた。大事なロボット達がぐらっと揺れる。 「痛ってぇ~」 「今、何時?」 「9時15分!」 「社長の言った通りだ、12時間で戻った!やったぁ」 「よかったぁ!」二人でハイタッチをする。 「ねえ、ちゃんと起きてれば良かったね。意識が入れ替わる瞬間って どんなだか経験してみたかったな。」 「でも、催眠術だからその時間が来たら自然に寝ちゃったんじゃない、 どっちにしてもさ。」 「ロボのかわりに会社に行くことになったらどうしようかと思ったよ~。 でも、数学のテストはロボに受けて貰えば良かったかなー。」 「またまた、ちゃっかりしてんだから。立ちション出来ないって泣きべそかいたのは 誰だっけ?」 もーその話はやめてーと言ってニコは笑いながら叩く真似をする。 おっとっと、と防ぐ俺の手の甲に、ぽつんと薄赤い痕跡。 「あ。」 「なに?」 なんでもないよ、と後ろ手に隠してごまかした。 「そぅお。あの二人、ちゃんと元に戻ったの。良かったわぁ。」 「あいつら、結局なんで入れ替わっちゃったんですかね。」 「双子だとそういう症例があるみたいだけどねぇ。」 「ようするに、やつら似た者同士ってことですか?」 「全然似てないけど、ある部分では非常に近いかもしれないわね。」 「ところで社長、催眠術が使えるなんてすごいっすね。 それもスパイ時代に身につけたんですか?」 「ああ、この本、ブックオフで100円だったわりには役にたったわ。」 社長の手には「誰でも出来る催眠術入門」という本があった。 「マジですかぁ」 よっちゃんは腹を抱えて笑い、次にあいつらが来たら何て言ってからかってやろうかと考えた。 ******** おわり
https://w.atwiki.jp/aizufudoki/pages/351.html
陸奥国 会津郡 中荒井組 下荒井(しもあらい)村 大日本地誌大系第31巻 44コマ目 府城の西に当り行程1里18町。 家数63軒、東西4町・南北41間。 中程より南に通るを本町(もとまち)という。 東西31間・南北1町37間。 四方田圃(たんぼ)なり。 村中に官より令せらるる掟条目の制札あり。 東2町34間蟹川村の界に至る。その村は辰巳(南東)に当り8町。 西8町44間本多村の界に至る。その村まで10町30間。 南3町51間今和泉村の界に至る。その村まで9町。 北町53間中里村の界に至る。その村まで9町。 また戌(西北西)の方7町21間荒田村の界に至る。その村まで8町。 小名 寶壽(ほうじゆ) 本村の北5町50間にあり。 家数3軒、東西1町20間・南北20間。 寛政5年(1793年)寶壽院の住侶本教という僧本村及び田村山の境内を新墾して民居を構えき。 文化2年(1805年)より寶壽と称し本村に属す。 端村 平田屋敷(へいたやしき) 本村より6町20間戌亥(北西)の方にあり。 家数5軒、東西42間・南北48間。 四方田圃(たんぼ)なり。 山川 清水 小名寶壽の南にあり。 東西1町50間余・南北9間。 白山清水(はくさんしみず)という。 小魚多し。 下流中里・石原・田村山3村の田地に注ぐ。 水利 思鑿堰 中荒井村の方より来り、田地の養水とし中里村の方に注ぐ。 神社 熊野宮 祭神 熊野宮? 相殿 伊勢宮 2座 八幡宮 天神 勧請 不明 村南5町10間にあり。 鳥居幣殿拝殿あり 神職 坂東備前 寶暦中(1751年~1764年)左近某という者神職をつかさどり相続て今に至りき。 左近は今の神職清高が祖父なりという。 寺院 蓮華寺 村中にあり。 →蓮華寺 寶壽院 村中にあり。 護命山と號す。 真言宗蓮華寺の末寺なり。 もとは蓮華寺の院内に在て6坊の一なり。 天正の兵燹(へいせん)(1589年)の後寶順と云う僧この地に移せりという。 本尊地蔵客殿にあんず。 覺蔵院 村中にあり。 山號を良翁山という。真言宗蓮華寺の末寺なり。 元は寶壽院と同く本寺の院内にあり。 天正17年(1589年)宥雄という僧移してここに営せりという。 本尊地蔵客殿に安ず。 地蔵堂 端村平太屋敷にあり。 建立の年暦詳ならず。 地蔵木像、長8寸。作者を知らず。 修験霜洗院司なり。 古蹟 五重塔跡 村北20間にあり。 舊事雑考に或記を引て、應安元年(1368年)に供養せしという。 今、本郡南青木組北青木村恵倫寺にこの村康寧山寶壽禪寺の鐘あり。『康安二年壬寅仲呂日』と彫付あり(康安2年=1362年)。蓮華寺未だ創建せざる以前既に寺ありしと見ゆ(注:蓮華寺の建立は康暦元年(1379年)とされている)。然れども来由詳ならず。 慶長16年(1611年)の地震に崩れしという。 今田圃(たんぼ)となり、その字を塔内(たふのうち)と唱ふ。 城跡 村北にあり。 米倉の地、即本丸の跡という。30間四方計。東西北に土手を築き堀形その腰を廻る。北方の堀は田となりその字を内膳堀と称す。 二丸その三面を周り、東西2町余・南北50間、東面は民居となりその余は田圃を開く。 その北に出丸あり。東西50間径・南北20間計、みな畠となる。 二丸と出丸との間の田の字また内膳堀という。 ここより南の方本町の南端に追手口の跡あり。すこしき土手残りその邊の宇を上城口(かみじやうくち)と唱ふ。 葦名氏の時その臣富田氏(諱を失う)をして守らしめし所という。 何れの頃の営築ということをしらず。 大壇 村西4町にあり。 高1丈余、周28間。 来由を知らず。 北会津村誌下荒井村および平田村 軽井沢銀山(wikipedia) 会津銀山街道地図(福島県) 下荒井城(秋田の中世を歩く) Google Map熊野神社(三所之宮) 宝寿院 子育地蔵
https://w.atwiki.jp/aizufudoki/pages/472.html
陸奥国 大沼郡 高田組 雀林(すすめはやし)村 大日本地誌大系第33巻 20コマ目 この村の西に林あり雀林という。因て名とす。中頃法用寺村といいしが、寛文中(1661年~1673年)旧名に復す。 府城の西に当り行程2里18町。 家数96軒、東西2町13間・南北3町58間。 西は山に傍(そ)ひ三方田圃(たんぼ)なり。 東10町11間寺崎村の界に至る。その村は辰(東南東)に当り14町20間余。 西16町逆瀬川村の山に界ふ。 南3町23間永井野組八木沢村の界に至る。その村まで5町30間余。 北2町米沢村の界に至る。その村は丑(北北東)に当り5町余。 また寅(東北東)の方9町25間檜目村にと隣りその村際を界とす。 山川 古方沼(ふるかたぬま) 村より20町余申(西南西)の方山中にあり。 この村及び八木沢村の境内なり。 東西2町30間・南北1町。 また3町計北に蓋沼というあり。この所もと数頃の凹池なりしが、何れの頃にか古方沼春水の溢れし時水湛て、一夜の中にこの沼となるとぞ。水草一面に浮かび蓋の如し故に名く。今に水に随て浮沈す。古方沼はこの沼を産するとて雌沼という。因て蓋沼は雄沼と称す。その周20町余。 明暦元年(1655年)土居を築て用水の備とす。 また旱歳に雨を祈れば験ありという。 土産 氷餅 法用寺の境内に春屋とて1屋を構えこれらを製す。 その製糯の新に熟する者を択び冬月に精け、厳寒の節に至て白餅に製し熱湯に和し、能黏するに及で箱に入れて氷らしめ、裁て数片となし藁に編て再風雪に曝し、春月温風やや至るに及で氷餅となる。その質束針の如く色極て清白なり。 同寺の中に倉3屋を構えてこれを納る所とす。 昔は法用寺より禁廷に貢せしという。 今、毎年府より江戸に貢す。 煙草 この村多く種て産業の資とす。 気味やはらかなり。 水利 堀抜堰 村西17町坊沢(はうかさは)という処より3町50間山腰を堀抜き、古方沼の下流と坊沢堤の水を通し、山中を流れ前坂提に入り下流を田地の養水とす。 享保3年(1718年)に築く。 堤2 一は村西1町30間にあり。 前坂堤(まへさかつつみ)という。 東西40間余・南北20間余。 慶安年中(1648年~1652年)築く。 一は村西17町にあり。 坊沢堤という。 東西18間・南北42間。 寛政2年(1790年)に築く。 神社 麓山神社 祭神 麓山神? 草創 不明 村より4町50間余申(西南西)の方山上にあり。 鳥居拝殿あり。高田村渡邊伊予が司なり。 龍像神社 祭神 五龍王神 草創 不明 村西山上にあり。 鳥居拝殿あり。 法用寺これを司る。 寺院 観音堂 ※国立公文書館『新編会津風土記75』より 村西山麓にあり。 縁起にを按ずるに、養老4年(720年)得道この堂を建立し十一面観音を安置すという。 昔この像材、雷雨の後洪水ありて近江国高島郡三尾崎に流れ出る。その時俄(にわか)に疫癘行しに因り、所の者その祟を畏れ大和国葛下郡神河浦に移す。時に出雲大満という者この霊材を見て大願を発し、この木にて十一面の像を造らば定て利益多からんとて縄を繋でこれを牽きしに、思いの外軽々と漂動して大和国城下郡当麻郷に至る。然れどもいまだ因縁や至らざりけん、彫刻すべき資力なくして大満も世を辞しぬ。その後80余年を過ぎて疫癘また起りしにより、所の者共その祟を畏れこの木を引て長谷の川上に至る。それより30余年を経て得道出、この木を長谷の峰頂に移し藤原房前公の執奏により官祖を賜り、稽文會稽主勳という佛工に仰て1木3體の霊像を刻めり。時に供養の導師は菩提にして、開眼導師は行基なりしとぞ。因てこの堂を建立し本木の霊像を安置し中身の霊像を大和の長谷寺に勧請し木末の霊像を讃岐国志渡寺に安置せしという。 元亨釈書には長谷寺観音の事のみにてこの堂と志渡寺の事見えず。 その後80余年を経て大同年中(806年~810年)に得溢ここに於て修法すること多年、勅を受て33神の霊像を刻しここに勧請す。これより4民の帰依益多くして三重塔二王門33坊舎一時に功成りしという。 霊像は今に恙(つつが)なく霊験多しとぞ。 法用寺これを司る。 二王門 3間に2間。 左右に力士の像あり。極めて古物と見ゆ。各長7尺余。 堂舎みな新なれども、この門のみ昔の儘にて今に存すという。 柱梁朽損し、その製頗(すこぶる)古れり。 鐘楼 二王門を入り石階を升て道の右にあり。 2間四面。 鐘、径2尺1寸。銘あり。その文如左 於奥州會津大沼郡 法用寺奉鑄鐘一口 大旦那平朝臣盛□ 別當法印権大僧都儼海比丘 本願聖人長岡先達頼圓 小聖智□ 大工越後国蒲原郡大崎住 妙實 火玉大工相合奉鑄也 文明六年甲午六月廿一日 諸旦那等敬白 ※文明6年:1474年 舊事雑考に平朝臣盛之とあり。今「之」の字見えず。 また小聖智範とあれども「範」の字詳に弁じ難し。 本堂 7間四面、東向。 1木3體の十一面観音を安置す。即稽文會稽主勳が作という。 会津三十三所順禮の一なり。 外に前立・脇立・八大童子守護の番属及び三十三身と得道の像を安ず。 三十三身は得溢の作という。 厨子の戸板に朱書あり。その文如左 佛且塗旦那梁田住仁 源性珠禪尼 葦田輔行次郎衛門 延徳二年庚戌三月吉日 別當長満敬白 令法久住利益人天故也 虎尾桜(とらのをさくら) 本堂の前にあり。 古木にして枝葉数歩の外に庇い、春月には花香寺境に満ち、希代の佳観なるゆえ花を賞する者多くここに集まれり。 弁天石 本堂の北にあり。 高4尺計。 昔徳溢ある夜の夢に天女天降りこの花の下にたたずむと見る。夢覚て怪しく思い晨(*1)を待て花下に至り見れば1の奇石あり。因て弁天石と名く。婦人の子なき者、或は子育てなき者この石に祈て験ありとぞ。 三重塔 本堂の南にあり。 高9丈余、二間半四面、東向。 本尊釈迦、脇建て文珠・普賢。 もと大同3年(808年)徳溢の建立にて安永の頃(1772年~1781年)までありしが、頽破(たいは)に及びし故(ゆえ)別当亮椿再建し同9年(1780年)に造畢(ぞうひつ)(*2)す。 法用寺 観音堂の南にあり。 山號を雷電山という。 養老4年(720年)得道当寺を創造し十一面観音を安置すという(即上の観音堂これなり)。 昔は左計の大利にて寺領もまた少なからず。葦名盛舜の頃までなお盛なりしに世の乱に因り次第に衰えぬ。されども天正の頃までは(1573年~1593年)坊舎なお16ありしが、文禄(1593年~1596年)に至り残らず退転し、今わずかに2宇を遺せり。 上野国世良田長楽寺の末山天台宗なり。 制札 官御動にゆく道の右にあり。 客殿 9間半に5間、東向。 本尊弥陀。 ここより4間に1間半の廊下ありて庫裏に通す。 また客殿の前に四建門あり。 庫裏 11間半に5間。 地蔵堂 客殿の北にあり。 中古退転し地蔵は客殿に安置す。 正徳年中(1711年~1716年)住持教海霊夢を蒙り、日光山大悲院より別に地蔵を勧請しこの堂を建つ。 孕婦安産を祈て験ありとて、いつとなく子安地蔵をいう。 鉄の鉢あり。径1尺9寸5分。銘文如左。 法用寺 鉢常住 大旦那 新國又七 長谷川 四郎衛門 大工彦次 卓山次郎左衛門 永正八天辛未十一月一日 喜見院 当寺の衆徒なり。 今は廃す。 大乗院 同上 寶物 不動画像 2幅。 1幅は慈覚筆といい、1幅は慈眼筆という。 縁起 1軸。 観音堂本尊彫刻の銘より当寺草創までのさまを図し、その事を上に注す。 書・画共に拙けれども古代の物と見ゆ。 裏書あり。その文如左。 天正巳丑年 伊達政宗打入 彼縁起亂物ニ申 白河ヘ罷越候 惠日寺ノ住物成上ニ申乞請申候得者 法用寺之住物ニ御座候 右為末代之新寄進ニ皈令進候ウラ打イタシ申候 文禄癸巳二年壬九月吉日 惠日寺 法印玄弘(花押) 古文書 3通。 その文如左(※略) 番板 1枚。 2尺に8寸計。 そお墨痕年を経て消滅せんことを恐れ近年住持これを彫刻せしむ。 その文如左(※略) Google Map雀林 古潟沼 蓋沼と浮島 麓山神社 - 参道。西側からは入場できない様子 意加美神社 龍王権現 - 旧・龍像(龍蔵)神社 天台宗法用寺 仁王門 虎の尾桜 天台宗法用寺 三重塔 天台宗法用寺 子安地蔵堂
https://w.atwiki.jp/aizufudoki/pages/391.html
陸奥国 会津郡 南青木組 湯本村 羽黒神社 大日本地誌大系第31巻 68コマ目 祭神 倉稲魂神(うかのみたまのかみ) 鎮座 天平中(729年~749年)? 縁起に㨿に、天平中(729年~749年)行基この国に来り、紫雲のたなびくを見てこの峰頂(ほうちょう)に尋ね登しに、忽(たちま)ち3足の烏飛来りまた軍荼利妙見観音の3尊その形をあらわしければ、行基その霊瑞に感じ三社權現をここに請し側に1宇の梵刹(ぼんさつ)を建て羽黒山東光寺と號く。 その後法流の院宇300余区ありて山下に連なり近里に満つ(院内村はその遺名なりとぞ)。 葦名直盛の時住持(じゅうじ)澄鑁をして国家の安寧を祈らしめ、本郡赤井村(原組)に於て150石の地を寄付す。 天正12年(1584年)6月13日盛隆当山にて舞楽遊覧あり。蒲生秀行の時その臣岡野信春という者罪ありて当山に隠れしかば、住僧その赦を請いしにより社領を没収せられしという。 鳥居 山下にあり。 高1丈9尺。両柱の間1丈5尺。 ここおり二王門に至る。 二王門 3間に2間、南向。 力士の像、古佛と見ゆ。各長8尺余。 ここより曲折数回にして登ること8町、本社に至る。 緑樹路を挟み苔蘚(たいせん)地に布き物さびたる幽境なり。 盥水処 本社の東南にあり。 社の東より筧にて遥かに山泉を引きこれに注ぎ、また東光寺庫裏の方に注ぐ。 本社 3間四面、南向。 社前に数級の石階あり。 神體(しんたい)は木像なりという。別当といえども昔より見ることを得ず。 毎年8月朔日より7日まで祭禮あり。 また鰐口1口を懸く。『奥州大會津羽黒山大權現御寶前之鰐口本願盛長大工野口外記慶長十九甲寅年五月五日別当法印春盛上人敬白』と彫付あり(慶長19年=1614年)。 鐘楼 本社の前にあり。 鐘、径1尺9寸。『正保三丙戌大工早山掃部助直次』と彫付あり(正保3年=1646年)。 銘は煩しければ略す。 地蔵堂 本社の西にあり。 旧院内村にあり、いつの頃にかここに移すという。 旧地を今地蔵屋敷という。 末社 稲荷神社 境内にあり 雷神社 同上 山王神社 同上 山神社 同上 麓山神社 本社の北3町余山上にあり。 奥院とす。 別当 東光寺 本社の西にあり。 上野国世良田長楽寺の末山天台宗なり。 山號を羽黒山という。 客殿に正観音を安じ本尊とす。 寶物 御正体 1面。 その銘左に載す。 奥州大會津湯上羽黒御正體當当明尊旦那見性房暦應二巳卯二月十八日施主敬白 ※暦應年=1339年 御正体 1面。今はなし。 奉造琢大會津湯上羽黒三社權現正観音御正躰願主有慶細工願主施主喜承房観阿弘長三壬亥年十一月十六日 という銘ありしという。 ※弘長3年=1263年 鐡鉢 1口。今はなし。 汶白大會津郡奉施入羽黒山權現御鉢大檀那藤原氏女大檀那平行信右志者二世悉地成就圓満故也建久五年七月五日 という銘ありしという。 (舊事雑考には建武に作る孰(いず)れが是なることを知らず) ※建久5年=1194、建武5年=1338年 賽銭鉢 1口。 その銘左に載す 奥州大會津郡湯上羽黒山大權現御寶前弘長三年十一月十六日 鐡燭台 1箇。 奉寄進會津羽黒山常住天正九年辛巳九月大町雪下政家作 と彫付、また台の裏に 藤左衛門 と彫れり。 ※天正9年=1581年 Google Map羽黒山神社社務所 羽黒山逢拝殿 羽黒山湯上神社本殿 行基(wikipedia)
https://w.atwiki.jp/aizufudoki/pages/119.html
陸奥国 会津郡 滝沢組 下居合村(しもいあはせ)村 大日本地誌大系第31巻 18コマ目 府城の北に当り行程30町。 家数32軒、東西1町32間・南北3町48間。 三方田圃(たんぼ)にて東は山に近し。 村東に二本松街道あり。 東7町35間長原新田村の界に至る。その村まで9町40間余。 西3町48間下柳原村の界ひ渠川を限とす。その村まで7町10間余。 南24間上居合村に隣りその村際を界とす。 北1町48間河沼郡代田組藤倉村の界に至る。その村は戌亥に当り6町40間。 また 丑(北北東)の方4町57間松窪村の界に至る。その村まで6町40間。 巳(南南東)の方村際にて郷原村に界ふ。その村まで5町余。 申(西南西)の方3町40間下柳原村の界に至る。その村まで7町10間余。 戌亥(北西)の方1町20間代田組倉道村の界に至る。その村まで1町30間余。 村北5町計に1里塚あり。 小名 牛畠(うしはた) 本村より寅卯(東北東~東の間)の方松窪・長原新田両村の境界を隔て26町50間余山中にあり。 家居1軒。地面、東西20町15間・南北8町52間。東は滝沢村の山に続き、西は松窪村に界ひ、南は牛墓村の山に連なり、北は代田組稲荷原新田村に接す。 山川 葉山(はやま) 村東18町にあり。 高18丈。近隣の諸山より高く頂上より西南の方眺望広し。 吹屋川(ふきやかわ) 村北2町にあり。 長原新田村の境内より来り、西に流るること10町計倉道村の界に入る。 広3間余。 渠川(せせなきかわ) 村西3町40間余にあり。 北柳原村の境内より来り、戌亥(北西)の方に流るること7町倉道村の界に入る。 原野 秣(まぐさ)場 村より丑寅(北東)の方15町にあり。 東西8町・南北2町30間。 関梁 呼橋(よばるはし) 村より丑(北北東)の方5町にあり。 長3間、幅9尺。吹屋川に架す。二本松街道なり。 鬼一法眼が女皆鶴姫、牛若丸の跡を恋ひこの橋の邊りに来り後、影を望んでその名を呼びし故(ゆえ)名けしと云い伝う(皆鶴が事は藤倉村の条下を併見るべし)。 水利 日橋堰 松窪村の方より来り田地に灌ぎ郷原村の方に注ぐ。 戸口堰 金堀村の方より来り田地の養水となり長原新田村の方に注ぐ。 神社 稲荷神社 祭神 稲荷神? 相殿 稲荷神 9座 婆神 若宮八幡 鎮座 不明 村東船森山(ふなもりやま)という丘の上にあり。 鳥居拝殿あり。郭内諏訪神社の神職佐久上総が司なり。 麓山神社 祭神 麓山祇神(はやまつみのかみ) 鎮座 不明 村東18町、葉山の頂にあり。 鳥居拝殿あり。村民の持なり。 寺院 秀安寺 村東にあり。 開基の年月詳ならず。本郡南青木組天寧村天寧寺の末山曹洞宗なり。 旧は密侶或は洞家の僧居しという。 慶長10年(1605年)曹洞の徒獄應という僧住してより松雄山秀安寺と號せしとぞ。 本尊正観音客殿に安ず。 地蔵堂 客殿の南にあり。 旧村中にありしに天和2年(1682年)の頃この寺に移すという 和徳寺 村中にあり。 西本願寺の末寺浄土真宗なり。 天正18年(1590年)宗俊という僧開基す。 本尊弥陀客殿に安ず。 太子堂 境内にあり。 皆鶴姫 Google Map羽山 呼橋 石畑稲荷神社(牛畠?) 大山祇神社 秀安寺·伝·小原庄助菩提寺 和徳寺 御霊神社 水天宮
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/417.html
『これもらってくね』 今までに見た事があっただろうか?あんな哀しげな表情(カオ)を。 ……一度だけ、泣いた事があった。出会った頃にある人を失くしてしまった時、 ニコは俺の側で泣いた。 大人として受け止めてやりたいとその小さな肩を見てて思った筈だったのに。 その手を離してしまったのは、 俺だ。 「ロボいる?」 相変わらずたまにいきなりやって来ては、勝手気ままに過ごしてゆく。 ニコとの関係は元通りになっていた。 俺は適当に相槌をうってフィギュアに没頭し、たまにニコに話を聞けと怒られる。 いつもと同じ。(ニコに言わせるとぬるい毎日) でも何故だろうか?切なくて心細くてたまらなくなる時があるのだ。 失くした恋を悔やんだり引きずってるつもりはない。 ロボット相手の生活が虚しいわけでもないし、よっちゃんや社長のいる 地蔵堂にはもちろん、会社にも居場所はある。 何よりニコのいる生活はやっぱり楽しい。 なのに。 何がこんなに苦しいんだろう……? ぼうっと考え事をしながら窓辺にいたら、ふといい匂いがした。 ニコがコーヒーを淹れている。 流しに立つ後ろ姿を見て、一瞬昭子さんを思い出す。 (俺はまだ忘れてないのか……?) いや、違う。そうじゃない。 思い出したのは、いつもこうしていた事。 昭子さんが働く姿を見るのが好きだった。何故か目を離せなかったのは、 それが長くは続かないとわかっていたからだろうか? あの人が写真を撮ろうとしたように、俺は目に焼き付けておきたかったのかもしれない。 だけど、ニコにそんな事をした覚えは1度だってなかった。 当り前になっていたんだ。 いつもベッドに寝転がって、テレビを見て、時々ご飯作って一緒に食べて、 お茶を飲んで、笑ってケンカして……。 全て普通になりすぎて大切なことに気付かなかったんだ。 お前がそこにいる事の意味を、その重さを。 何よりニコの気持ちすらわかったつもりで何もわかっちゃいなかった。 俺は大人なのに。 散々子供扱いしておいて、傷付けた。 なんて浅はかな人間になってしまったんだろう。 「ロボ?」 戸惑ったような困ったようなニコの声が耳に入るが、返事をする事ができない。 俺は泣いていた。 まだ14歳のニコの背中は昭子さんのそれと違って、とても細く小さく見えた。 俺はなんてばかな事をしてしまったんだろう。 昭子さんに恋をした、その事ではない。だが、それが全てを敵に回した。 悔やむのは、あの時の不甲斐ない自分に対してだ。 何故もっとニコの声を聞いてあげられなかったのか。 受け止めてやりたいと思ったのではないのか。 なぜその肩を抱いてやれないまま冷たく放り出してしまったのだろう。 ニコに頼って欲しいと言ったのは他でもない自分なのに……。 「ロボ、ねえ、どうして?……あたしに言えない事?」 ニコが心配そうに覗き込んで来る。 「……俺、酷いことした。ニコに酷いことしたよな」 ニコがただ俺を見ているのがぼやけた視界に映りこむ。 「俺、自分で情け無くて、許せないんだよ……俺、ニコを傷付けたんだよな」 涙でぐちゃぐちゃになりながら嗚咽を漏らす俺にニコの手が触れた。 次の瞬間、不思議な温もりに包まれていた。 そっとニコが俺に抱き付いて背中に腕を回していた。 実際はそうだが、何故か抱き締められているような気がする。 「ニコ……」 耳元で囁く声がする。 「泣きたいなら泣いていいよ。ロボ、辛かったんだよね?」 さらに涙が零れてしまう。 「あたしはここにいるから、全部吐き出しちゃっていいんだからね?」 気付けば大声で泣いていた。頭ではわかっているのに、止められなかった。 ニコはずっと黙って抱き締めてくれた。 気付けば暖かいその身体を俺から抱き締め返していたが、ニコは それでも離れようとしないでいてくれた。 「……俺、いいのかな?」 やっとの事で言葉を搾り出しながら、まだ出る涙を拭えず言った。 「ここに、ニコの所に帰って来ちゃって良かったのかな?」 苦しかった胸の内を、思うがままに吐き出してしまっていた。 「……当り前じゃん」 ゆっくりと静かな声でニコが言った。 「あたしだって苦しかったよ。ロボこそ、あたしのせいで昭子さんに 会えなかったんだもん。なのに、許してくれたじゃない」 俺は頷いた。 確かにもうそのことは許しているし、責める気なんて全くない。 会えたとしても会わなかっただろうとさえ思う。 終ったのだ。もう何もかも。 「どうしてそんなに自分を責めるの?……本当はまだ拘ってるの?」 「違う!」 それは違う。そんなつもりはなかった。ニコまで苦しめてしまったのか? 「違うよ」 その時俺は気がついた。 「俺は、きっと許されたいんだ」 ニコの肩に手をかけたまま少し身体を離した。ニコの顔を覗き込む。 「許してるよ?」 ニコはじっと俺の目を見て話し始めた。 「一番大変な時にいなくてごめんねって言ってくれたじゃない。 これからは……いてくれるんでしょ?」 心なしか少し不安げな気持ちが見えたような気がした。俺は頷いた。 しばらくの間、しんとした沈黙が流れた。言葉がなかなか見つからない。 だが先にニコがそれを破った。 「ロボ、まだあたし言ってなかったよね?」 「ん?」 そういうとニコは少し微笑んで続けた。 「おかえり、ロボ」 俺はまた涙腺が緩むのを感じた。 「ただいま」 自分で自分を許せなかったのかもしれない、俺はまたニコに救われた。 しばらくの間そのまま何もせずニコとベッドに並んで窓の外を眺めていた。 「……もう泣きやんだね」 笑いながらニコが言う。 俺は少し恥かしくなってそっぽを向いた。 「あ、素直じゃないな!」 かなわない。 「そーゆー事してるとまたマックスロボ貰ってっちゃうよ」 「そ、それは困る!」 焦って思わずニコの腕を掴んだ。 「えっ!……な、何が?」 驚く顔をしたニコにちょっとドキリとしてしまう。 「いや、あの、マックスロボは、困るわ~」 それを聞くと 「あ、あーっそ。そういう事!……もう、知らない。勝手にすれば」 ふん!と腕を離して流しへ向かって行ってしまった。 「……違うんだけどなぁ……」 俺って馬鹿なのかな?また呆れられちゃったかも。 こういう所が子供っぽいのかな? 「あと何年経ったら……」 今大人な俺より、ニコが心身共にニコが大人になってしまう日がいつかは来るのだろう。 その時まで、俺は……いや、ニコは待っていてくれるだろうか。 「何ニヤけてんの?」 「別に~」 差出されたカップを手にしながら俺は密かに決意する。 その時が来たら、今度こそ その手を離さないと誓おう。
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/337.html
「ねぇってば、ロボ?聞いてる?」 「んあ~?なにぃ~?ニコ~」 ロボはテレビに顔を向けたままニコに返事をした。 一日中暇さえあればマックスロボを見ている。 「ちょっと、人が話してんだから顔ぐらい向けなさいよね~」 「今、いいとこなんだよぉ!・・・マックスパーンっっっッチ!」 「もういい!死ぬまでずっとオタクやっとけば!?」 「そうだそうだ!死ぬまでオタクやっとけ~!」 ロボは一人混じったおっさんの声にハッと後ろを振り返る。 ニコも驚きの顔で横を見つめる。 (二人同時に)「よっちゃん!?」 「あ、あんた、どこから入った!?」 変な動きで身構えるロボ 「んあ?普通に鍵あいてるだろうが」 あぐらをかいて無精ひげをさわりながら答えるよっちゃん。 ニコはなんだかいつもよりタバコくさいな、と思った。 「め、めんどうなことは嫌よ!」 ニコは心からそう思った。そして口にしていた。 「おいおい。そんな身構えんなって。今日は仕事の話じゃねぇよ」 (二人とも)「?」 「うちの社長がさ、もうすぐ誕生日なんだよ。だからさ、二人ともパーティーやらないかな?と思ってよ」 ロボは顔に満面の笑顔を浮かべ 「いいね!やろうやろう!俺たちもなにかとお世話になってるし!」 ニコは不思議そうにいった。 「あれ?ロボって、社長のこと苦手じゃなかったの?」 「いやぁ、それとこれとは別だよ~。誕生日は祝うほうも祝われるほうも気持ちがいいもんでしょ!」 ニコに指を振りながらうれしそうにいう。 よっちゃんはガバッっと立ち上がり、大きく手を叩いていった。 「よし!決まりだ!んじゃ明日、午後6時くらいにここの下に迎えにくるから!じゃ!」 「はーい。んじゃ明日は残業できないな!」 なんでこんなに嬉しそうなんだろう。ニコはすこし不思議だった。 「あ!それから、明日はちゃんとした正装で来いよ!」 「あ、あたしは?」 「ニコは、そうだな・・。ドレスなんかいいんじゃないか?今日、二人で買い物して来いよ。」 よっちゃんはそういうと、ふところから10万くらいの札束をポサッとテーブルに置いた。 「え!悪いよ!こんなに!」 ニコは申し訳なく大きな声で言った。それにドレスなんかきたことないのにと思った。 ロボはまじまじと10万円をみつめて「本物かなぁ?本物?」などとつぶやいている。 「仮にも社長の誕生日パーティーだからよ、ちゃんとしててほしいじゃん? つーか、じゃねぇと俺が怒られんじゃん?」 ニコはなるほどと思い、すこし気の抜けた微笑みを浮かべた。 ロボはお札の匂いを確かめたりしている。 「そんじゃ。また明日な。」 「ばいば~い。」 ロボは部屋から出て行くよっちゃんに大きく手を振り、今度はちゃんと扉の鍵を閉めた。 案外、抜け目ないな、ロボ。 ロボはニコと10万円を交互に見つめると二カッと笑い 「行くか!買い物!」 と言った。うーん、馬鹿みたいに嬉しそうだ。とニコは思った。 「ロボ、出動します!」 エンジンをかけ車を走らせる。 ガレージから出るとき入り口のシャッターで車が擦れている音をニコは聞き逃さなかった。 ニコはあえて何もいわなかったが。 「ねぇ。ロボ。あたしどんなドレスが似合うかな?」 「ん、そうだな~。派手なのより地味なほうがいいんじゃないかな?」 「ちょっとそれどういう意味?」 ニコは素でカチンときた 「ニコ~怒んないでよ~。ようするにニコは飾りを付けなくても美人だってことだよ」 「へ?ば、ばっかじゃないの?そんなの言われなくても知ってるっつーの」 ニコは素で照れた。 「またニコはすぐ照れるんだから~」 ロボはそういうと馬鹿にして笑った。 「うっさいなーロボのくせに!馬鹿、スケベ、変態!」 「ハイハイ、俺は馬鹿でスケベで変態のオタクですぅー」 ハンドルを右に曲げるロボ。 なんだか、太陽の光もあいまってか、ロボがかっこよく見えた。 「そ、それにしてもよっちゃんって本当に社長思いだよね。」 「うん、本当に二人はいい関係だよ。親子?というか恋人?というか・・・」 「そうね、家族みたいだよね。」 「俺にとってニコも家族みたいなもんだよ」 「そうだなぁ、私にとってもロボは家族、かなぁ?オタクだけど」 「一言多いの!ニコは!」 「ロボといると楽しいもん」 すこし感慨深そうにニコはつぶやいた ロボは少しそれを汲み取って言った。 「俺もね~、楽しいんだよね。ニコといると。なんか、楽っていうか、楽しいって「楽」って書くじゃない? だからかな~」 ニコはすこし笑って 「私、ロボのこと好きかもしんない」 「そうだね、ニコは・・・ってえええええええええええええ!????」 車が縦横斜めに揺れて蛇行する。 「ちょ!ロボってば!あ、危ない、危ないよ!」 赤信号で急停車する車。つんざくようなブレーキ音が響く。 「ニ、ニニニニ、ニ、ニコぉ!びっくりするだろぉ!?」 「ロボ、あわてすぎ」 「だって、そんな、急に、え?好き、だ、え?なんて、ねぇー?」 窓に向かって誰かに同意を求めるような動作をするロボ。 「家族としてってこと!」 ニコは不満そうに付け加えた。 「そ、そそそ、そうだよねぇー。そうか、そうだよね。」 なに焦ってるんだろ?俺。とロボは思った。 「ばっかみたいwあわてちゃって。こんな若い子があんたみたいな中年オタク好きになるわけないでしょ!」 「お、お大人をからかわないの!」 「もういいから、前向いて運転してよ!ほら、青になったよ!」 ニコはロボに聞こえない声で「ロボの馬鹿」とつぶやいた。 ロボはぶつぶつと「そんなわけないか」などと小声でつぶやいていた。全部聞こえてるよ、ロボ。 車は街についた。 夕方過ぎだからだろうか?街がさびしそうに見えたのは。 ニコは一心不乱にドレスを試着していた。 あれでもない、これでもない、と探している。 というか、ドレスって高い。10万で足りるかなぁと不安そうな声をロボは発している。 でもニコに聞こえないように。だから、全部聞こえてるってロボ。 ニコは結局二時間ほど探し回り、値段も少し安めの8万の赤のドレスを購入した。 なにが決め手になったか? ロボがそのドレスをみて鼻血を出したからだ。 試着室のカーテンからニコは顔だけ出し 「ロボ、ちょっとおいで。」といい カーテンをガラッとあけた。 と同時にジェット噴射のような鼻血をロボが出したのだ。 「えっ!?ロボ!?なに!?」 ニコは戸惑ったが、実際爆笑した。 バンビのような動きでロボは足を震わせていた。 「ロボ、やらしー。」 「ニコ、違うんだ、これは。違うんだ。あれ?頭がくらくらする」 「血ぃ出しすぎ」 ニコは購入を即決した。 「あー。鼻血ってあんなに出るもんなんだね」 ロボはもう暗くなった夜空を車のフロントガラスから見つめながら言った。 「ちょっと、おなか痛いから笑わせないで」 ニコは終始笑い続けていた。 「ちょっとー。笑いすぎ!大人をからかうなって言ったでしょ!」 「だって、ロボ、なんで、あんな、はなぢ・・・」 「笑いすぎだって!」 「これ聞いたら一海ちゃん絶対爆笑するよ?」 「一海ちゃんにはいわないでってばー」 「言ーおうっと」 ニコは少しロボから顔を背けた。 「ロボはさ、なに?私の格好に興奮したわけ?」 蛇行する車。 「だ、だ、だだ、断じて違う!た、たまたま今朝ピーナッツとチョコ食ったから・・・」 「ふぅーん」 「本当だよ?あー。う、疑ってるな?」 「ううん、ロボの言うことは全部信じてるよ」 ニコは完全にロボからそっぽを向き、そう答えた。 「あれ?ニコ?あれ?怒ってる?」 「ううん、怒ってない」 「ニコ、今日、楽しかった?」 「うん。楽しかった」 「そう、よかった」 ニコは窓ガラスにうつったロボの顔がとても印象的だった。 とてもきらきらと目を輝かせ嬉しそうに笑っている。 「ロボ、好きよ」 そうニコは口を動かすだけだった。 ロボとはそれから他愛もない会話をした後、家まで送ってもらった。 「ロボ、ありがと」 「うん。明日は午後6時だからな。遅刻するなよ。」 「ロボこそね。」 「それじゃあね、ニコ」 「じゃあね、ロボ」 車に乗り込むロボ ニコは思い出したように「アッ」と声を上げた。 「ロ、ロボ!そういえば、これ!おつりの2万円!」 「え~、ニコぉ~、それはよっちゃんに返しなよぉ~」 「う~ん。これは車の修理代にでも使って。」 むりやりロボの手をつかみ、お札をねじ込む 「へ?」 すっとんきょうな声をロボが上げた。 ニコは逃げるように家の中に入った。 家に入ってから3秒後くらいにロボの叫び声が聞こえてきた。 「まぁ、私は悪くないか。なに逃げてんだろ」 ニコは少し微笑んだ。 ロボは泣く泣く帰りに車を修理に出した。 気づいていたなら何故ニコは言ってくれなかったのだろう? 意地悪だ、ニコは。 ロボも少し微笑んだ。 そうか、だからニコは安いドレスを一生懸命探していたのか。 修理代が残るように買い物をしたのか。 いや、何にも考えてなかったのかもしれない。 そんなことを考えながらロボは変らない月夜を見てスキップで家に帰った。 「私、ロボのこと好きかもしんない」 とロボはふと自ら口にしていた。なんであんなことを言ったのだろう?と考えていたのだ。 ロボは正直、うれしかった。 ロボの中にニコを好きという気持ちが芽生えていたからである。 しかし、ロボ自身それには気づいていない。 「うれしいけど、戸惑うなぁ。なぁ、マックスロボぉ~」 と青色のそれに語りかける。 本当は、本当は、変らない関係がよかったのかもしれない。 それは友情関係。 ニコと居ると楽しいもんな。それは昭子さんと一緒に暮らしたとき気づいた。 ロボは勝手に自分のなかで恋愛は苦しくなくてはいけないと決めていた。 だから、自分の気持ちに素直になれなかった。 それにまだニコは中学生じゃないか。 年齢は関係ないとは言い切れない年齢だ。 「そうだな、いつか、いつか・・・」 そんな関係が受け入れればいいな。 ロボは大人の顔をして、マックスロボを見つめた ニコはベランダに腰掛け月夜を見ていた。 なんであんなこといったんだろう? 私、どうかしていた。 ロボが好きなんて、ああ、恥ずかしい。 私の独りよがりじゃない。 なんで、ロボは気づかない振りをするんだろう? 本当は全部わかってるはずなのに。 なんだか胸が痛い。というか苦しい。 私のロボに対する感情は間違いなくプッチーニ事件を境に変わった。 苦しいのも、メモを捨てたのも、マックスロボを持って帰ったのも 全部ロボのことが好きだからだ。 だから昭子さんに嫉妬もしていた。 ロボはやっぱりまだ昭子さんのことが好きなのだろうか? 一海ちゃんにも嫉妬していた。 それともロボは一海ちゃんが好きなのだろうか? ロボは私のこと好きなのだろうか? 聞きたい。聞きたくてたまらない。 「そうだ、いつか・・」 いつかちゃんと聞こう。 ニコは月から顔を落とし、自分の足を眺めた。 すると後ろから声が 「ニコ、どうした?考え事か?」 お父さんだ。 ニコはあわてるように首を振った。 「ううん。なんでもない」 「恋の悩み事かぁ?ニコ」 「違うって」 できるだけ平静を保ちながらニコは答えた。 「そうか、まぁ、うん。」 お父さんはなんか悲しそうな表情で答えた。 ああ、やっぱり親にはわかるんだな。と感心した。 「あのな。ニコ。いつかお前が誰かと恋をするかもしれない。 そして、結婚もするかもしれない。というかするだろう。 そのときは必ず、自分の直感を信じろ。」 ニコの後ろに立っていった。 「お父さんは直感で結婚したの?」 「ああ、そうだよ。この人ならいい家庭が築ける。って思ったんだ」 「お父さんが付き合ったのはお母さんだけ?」 「いや、何人か、うん、何人か付き合ったよ」 「へぇ、やるね。お父さん」 「いやいや、でもね。やっぱり結婚しようって人は何か、違うんだな」 「何か、ね。それが分かれば苦労しないんだろうね」 「確かに」 お父さんは笑って答えた。 その何かをロボが持っててくれたらいいな、と切に願った。 「ニコ、これ食べる?」 振り返ると、お父さんは片手に梅酒、片手にチョコレートを持っていた。 「いいよ。鼻血出るし」 「へ?何のこと?」 「いや、なんでもない」 「ビターチョコレートは恋の味~♪」 と鼻歌歌いだすお父さん。 「そんな歌あるの?」 「いや、ありそうだなと思って」 常々、変わった親父だと思っていたが本当に変な人だ。 「一個。一個だけ頂戴」 「ん」 ニコにチョコを手渡すお父さん。 苦い。苦いな。 そういえば「苦い」って「苦しい」と同じ漢字を書くんだ、なるほど。 これは恋の味だ。 妙にニコは納得した。 翌日 学校が終わると走ってでロボの家に行った。 むーちゃんにも気づかれた 「ニコ、なんか嬉しそうじゃん。彼氏?」 「いや、違うよ。違う。」 「そういえばニコって彼氏いるの?」 「手下ならいる」 「なにそれ」 むーちゃんは笑っていた。 ロボの家に着くと、ロボはマックスロボをいじっていた。 スーツを着ていた。 変な絵だな、とニコは思った。 「あのさ、スーツ着てるのに、ロボットいじりはどうかと思うよ~」 「あっ!ニコ!チャイムぐらい鳴らしてよ!」 「だって鍵開いてるじゃん。学習してよね」 「でも普通チャイムぐらい鳴らすのが常識だろ!」 「うっさいな~。いいでしょ。私なんだし」 「ん・・・まぁ、確かに」 「ロボこそちゃんと鍵かければいいじゃん」 「そ、そうだね、ごめん」 「なんで謝るの?」 「いや、なんか今日のニコ怖いから」 「なにそれ。普通じゃん、いつもと一緒だって」 ロボはやけにきらきらとした目でニコを見ていた。 怖かったのだ。 ロボはニコが怖かった。そして自分が。 ニコといると恋愛の感情がふつふつと湧き上がってくるから。 そして、ようやく自覚した。 俺はニコが好きなんだと。 でも言えない。そんなこと言えるはずない。 そんなこと言ったら、嫌われる。 「ロボ、私、ロボのこと嫌いになんかならないよ」 ロボはドキッとした。 「へ?」 「いや、言ってみただけ~」 なんだか、手玉にとられているとロボは感じた。 ニコには全部お見通しなのか? やっぱり、この子にはかなわないな。 「そうだ、ニコ!ドレスは?」 「あ、そうそう。今から着替えるね。」 「こ、ここ、こここ、ここで!?」 「やらしー。何想像してんの?」 というとニコはトイレの中に消えた。 「あ、ああ、なるほどね」 ロボの心臓はバクバクしていた。 トイレの壁越しにロボの「目の前で着替えると思った」という小言が聞こえてくる。 聞こえてるっつーの。 ニコはトイレから顔を出し、 「目の前で着替えるわけないでしょ!変態!」 「変態じゃないですぅー。スケベですぅー。」 「一緒じゃん」 そういうと、ニコはトイレから出てきた。 とても派手に思われたが、似合っていた。 そして、ロボはすでに鼻血を流していた。 「ロボまた鼻血ぃー?」 ニコは大爆笑した 「あ、あれ?なんで?」 「またチョコとピーナッツ?」 「う、うう、うん、そうそう。そうだって」 ニコは本当にロボは駄目なやつだなと思った。 こんな人でも大人なんだな。 ニコはすーっとロボのほうに寄って行き、くるりと回って見せた。 赤の綺麗な布がひらっと浮く。 「どう?」 「に、似合ってるよ」 ロボは鼻血を拭くことで精一杯だ。 「見てないじゃん、ロボ」 「見れないよ~」 「ロボ、こっち見て」 「え~。なんか大人すぎて見れないよ」 「いいから、見てよ」 ロボはチラッと見た。 「き、綺麗だね、ニコ」 照れ隠しのようにわざとダンディーな声をロボは出した。 そして、またとめどなく鼻血が流れ出した。 「亀仙人かお前は」 「あ、あれ?」 「ロボもう、病気だってそれは。ドリフじゃん、ドリフ」 ニコはずっと笑っていた。 やっぱりロボは変わらないんだ。 変わらない大人なんだ。 ロボ、好きよ。大好き。 「ねぇ?ロボ」 「なに?ニコ?」 ロボはこちらに顔を向けようとしない。 「私ね、前に思ったの。ロボと私の願う幸せが同じだったらって」 「え?」 「いつか、いつか私、ロボと結婚したいな」 「なななな、なに言ってんの?」 「本気よ?」 「そんなこといきなり言われても・・」 「ロボはどう?」 「そりゃ、俺も・・・・」 ロボがそういいかけた瞬間。 家の下からクラクションと大声が聞こえた。 「おーい!ニコアンドロボー!行くぞー!」 よっちゃんの声だ。 ロボは気づけばベランダから顔を出し返事をしていた。 「わかったー。今行くー」 ニコはよっちゃんとロボにイラッときた。 答えを聞かせてよ。 ちょっと勇気出していったんだから。 ロボはそれが分かった。ニコの気持ちが。 ニコは不満そうに部屋を出ようとしてた。 そして ロボは無言でそんなニコを抱きしめた。 そして頭をなでた。 「ほら、行くよ?」 「うん」 ニコは抱きしめ返した。 ロボはちっちゃくてかわいいなと思った。 「ロボ、好きよ」 今度はちゃんと声を出していた。 ロボは答えることはできない代わりに 強くニコを抱きしめた。 離したくないなと思った。 ロボはニコの手を引いて、家を出た。 下ではよっちゃんが黒塗りのキャデラックに乗り二人を出迎えていた。 「おせぇんだよ!早く乗れって!」 よっちゃんは唾を飛ばしながら大声で言う。 「そんな大声で言わなくても聞こえてるよ」 ニコはなだめるように言う。 ニコの心音は早くなっていた。 不意にロボに抱きしめられた感触を思い出しながら ニコは車に乗り込んだ。 ロボはさっきから黙っている。 口をとんがらせ、大人の表情を浮かべている。 たまにみせるロボの大人の表情。 知らない人に見える。 ロボはいっつも子供のような笑顔を浮かべているのに。 わたしのせいだ。ニコは思った。 あんなこと、言わなきゃよかった。 言わなかったら後悔するくせに、言っても後悔する。 私って、なんなんだろ? でも、ロボのあの行動は気持ちの表れだろうか? それとも慰め? なら、いらない。 「私は、ロボ、あなたがほしいの。」 少し、ニコはちょっと背伸びして心のなかでつぶやいた。 なんで、俺あんなことしちゃったんだろ? ロボの頭の中は真っ白になっていた。 勢いで抱きついちゃった。 も、もちろん、好きだったから。 別に、後悔は・・・ちょっとだけしてる。 あ、よっちゃんがなんか言ってる。 早く車に乗らなきゃ。 ロボの心拍が加速度的に増して行くのに反比例して 周りの景色はスローになり、音が消えていった。 ニコ、好きなのに。好きだけど。 あれ?苦しくなってない、俺? なんか、違う。ニコといるのに苦しい。 俺が待ってたのはこんなことじゃない。 やっぱり、俺がしたことは間違っていたのか? 友達のままのほうが楽しかったんじゃないのか? 楽しいから、ニコと居たいんじゃなかったのか? いや、違う。 好きだからだ。 「ニコ、好きだよ」 ロボは口を少し動かすだけだった。 「ねぇ、よっちゃん」 「ん?なんだニコ?」 「なんか、ドレスありがとね」 「ああ、いいのいいの。」 よっちゃんはそういうとハンドルを右に切った。 運転が荒い。 後部座席のニコはそう感じた。 ニコは隣に目を向けた。 ロボはずっとまじめな顔をしている。 家を出てから一言もしゃべっていない。 私のせいだ。 自己嫌悪を感じながらニコは再びよっちゃんのほうに目を向けた。 いや、このときニコは目を向けただけではなかった。 意識せず、自然と耳を傾けていた。 そして、異変に気づいた。 思えば、さっきハンドルを右に切っていた。 地蔵堂に行くにはあの交差点は左に曲がらなくてはならない。 よっちゃんは地蔵堂とは別のところに向かおうとしている。 そして、さっきニコが聞いたもの。 よっちゃんの異常な心拍数。 前にこれと同じよっちゃんの心臓音を聞いたことがあることをニコは思い出した。 堪忍袋の爆弾を止めようとしたときだ。 よっちゃんは焦ってる? 何に? よっちゃんがこうも焦ることはそうない。 社長だ。 ニコは瞬時に社長になにか危険が迫っていると理解した。 「ねぇ!」 「ぅお!なんだよニコ!いきなり大声出すなよ!」 「社長・・・危ないの?」 よっちゃんはバックミラーでニコの顔をのぞいた。 ニコもバックミラーでよっちゃんの顔を見た。 よっちゃんはとても驚いた顔をした。そしてこころなしか青ざめていた。 「し、心配なんだよ・・・」 「何?ちゃんと説明して!」 「今日の誕生日パーティーでよ、社長がおとりになってんだよ!」 「ど、どういうこと?」 ただならぬ雰囲気にロボも我を取り戻した。 「本当は俺はやりたくなかったんだけどよ・・。社長が・・」 「え?何?」 ロボはあわてるように聞いた。 「社長がさ、警察に頼まれたんだよ。おとり捜査してくれないかって。 依頼者の人が昔社長がスパイだったときに世話になった「警察のお偉いさん」で、 断るに断れなかったらしいんだよ。社長は仁義を重んじるから、恩を返そうとか思ってんだろうな」 「お、おとり捜査って、誰を捕まえるの?」 「殺し屋だよ。二人組の。ビターチョコレート&ピーナッツっていう」 「なにそれ?」 「俺もよく知らないんだけどよ、とにかく腕が立つらしいんだ。 三日坊主っていたろ?」 「うん。三日坊主がどうしたの?」 ニコはあわてて聞く。少し心の傷が痛む。 「ニコが、三日坊主止めてくれたおかげで結局社長は助かったんだ。 でも、どうやら三日坊主の雇い主だった奴にまた社長を殺すよう依頼が入ったらしいんだわ その雇い主が社長を再び殺すために送り込んだのがビターチョコレート&ピーナッツだ。 前回、失敗してるだろ?もう失敗はできない。この世界で二度も失敗は許されない。 だから向こうも確実に殺す気できてる」 「その「警察の偉い人」は社長がビターチョコレート&ピーナッツに狙われてること知ってて、 おとり捜査を頼んだの?」 「おう、だって社長はその「警察の偉い奴」に聞いて初めて狙われていること知ったんだから。」 「社長は今どこにいるの?」 「おとり捜査の会場だ。クラブを貸しきってあって、そこで社長の誕生日パーティーをやる。 奴らが今日殺しにくるのは間違いない。大勢の人がいて、社長だけが壇上に上がっている。 こんなに殺しがしやすい環境はない。絶好のチャンスだ。」 「じゃあ、今日そいつらが来るのは間違いないのね。」 「ああ、それは間違いない。」 ロボは少し強い口調で言った。 「なんで俺たちにそのこと言ってくれなかったんだよ!」 「だって、お前らを危険に巻き込みたくなかったんだよ!」 「でも、結局連れてく気だったんでしょ?」 ニコは聞いた。 「いや、正直迷った。連れて行きたくないと思った。いつ言おうか迷ってた。」 ロボはみるからに怒って、言った。 「なんでだよ!俺たちのこと信用してないのかよ!」 ニコは驚いた。こんなに大声で怒ったロボを見るのが初めてだったからだ。 「信用してるさっ!信用してるけど・・・言うのが怖かったんだよ。 今日、本当にお前らを迎えに行くかどうか、迷った。 でも気づいたら迎えに行ってた。 不安をかき消すようにお前らの元に車を走らせてた。 で気づいたんだ。 やっぱり、俺は心の中で本当にお前らのこと仲間だと思ってたんだって。 だから、失いたくないって思ったんだ。 ・・・ごめんな」 ロボはすごく泣きそうな表情を浮かべた。 ニコもうれしいような、泣きたいような気持ちで胸がいっぱいになった。 よっちゃんは目をウルウルさせていた。 その悲しさをかき消すようにロボは言った。 「俺たちでさ、社長を守ろう!それでさ、俺たちだけでちゃんと誕生日パーティーしよう!」 よっちゃんは完全に泣いていた。 こんなときのロボはなんだかとても頼もしい。 「そうだな・・」 よっちゃんは声を振り絞りながら言った。 「いいか、作戦はこうだ。」 よっちゃんが会場の前で車を止め、後部座席を向いてしゃべり始めた。 ロボとニコは真剣に耳を傾けた。 「俺がめぼしいやつをしょっ引いてくるからそいつを後はみんなで袋叩きだ」 ロボとニコはため息をついた 「ちょっと、真剣に考えてよ!」 「はぁ!?真剣だよ!!」 「どうやってそのめぼしい奴を見つけるのよ!?」 よっちゃんは声をつまらせてこういった 「っ・・・勘だよ、勘!」 「そんなんじゃ駄目。社長の命がかかってるのよ?」 ニコは諭すように言った。 黙って聞いていたロボが何か思いついた。そして、それを言った。 「ニコ?さっきどうしてよっちゃんが俺たちにこのこと隠してるって分かったの?」 「し、心拍数が早く・・・あっ!」 「そのとおり!ニコが会場に居る人の心拍数が早い奴を聞いて探すのさ!」 「なるほど、めぼしい奴は見つけられるな」 「でも、その人たち腕の立つ殺し屋なんでしょ?人を殺すぐらいで心拍数が早くなったりするのかな?」 ニコは疑問に思った。 ロボは少し考えていった。 「波紋を起こせばいいんだよ。」 「波紋?」よっちゃんとニコは同時に聞いた。 「予想外の行動を社長にとらせて、ビターチョコレートたちを焦らせればいいんだよ。 例えば、この中に殺し屋がいますか?とか壇上で言わせるの。そしたら、必ず何かしらの動きを見せるはず。」 今日のロボはすごく冴えているなと思った。まるで別人のようだった。 「それ、そうとう賭けだな」 よっちゃんは神妙なおももちで言った。 「でもただ、撃たれるのを待っているよりはリスクが低いよ?」 ニコは言った。 ロボは大きくうなずき、よっちゃんは冷や汗を拭きながら細かく顔を縦に振った。 会場に入ると、一番に社長を見つけることができた。 社長は和やかに女性と談笑している。 命を懸けている人の顔には見えない。 パーティーは7時から始まるらしく、まだ人は社長たちとスタッフ数人しか居ない。 「ねぇ、ロボ?」 「なにニコ?」 「今日、ロボ、なんか違う人みたい。怒ったり、まじめな顔したり」 「えぇ?そうかな?いつも通りだって。マックスパーンッッッチ!!」 「あ、やっぱオタクだ」 「なんだよそれ~。」 ニコは無理してるのがすぐに分かった。 ロボの笑顔がなんだか消え入りそうだった。 「ロボさ、思ったんだけど、ビターチョコレート&ピーナッツって、 この前ロボが鼻血の言い訳したときと同じじゃない?」 『た、たまたま今朝ピーナッツとチョコ食ったから・・・』 ロボの真似をするニコ。 「馬鹿、俺が食べたのはミルクチョコだよ!」 手を大きく振りながらニコに指を指すロボ 「別にちょっとぐらいいいじゃん!馬鹿って何よ馬鹿!」 「あ~馬鹿って言ったな、馬鹿馬鹿!」 「ロボのバカバカバカ!!」 大声で騒いでいると社長がこちらに気づいた。 驚いた顔をしている、と同時に複雑な表情を浮かべた。 「ニコ。ロボ。」 社長はできるだけ大きくはっきりと名前を呼んだ。 ロボはビクッとして「気を付け」の体勢になっている。 「全部、よっちゃんから話は聞いたみたいね。」 よっちゃんは後ろでこそこそ隠れている。 「よっちゃん。連れてきてくれてありがとう。私たち家族だもんね。」 よっちゃんはまた泣きそうな顔をしている。 社長は全部お見通しのようだ。 「あなたたちも本当に来てくれてありがとね」 「よっちゃんに騙されただけですよ~」 ロボは嫌そうな顔をして言った。 「こら、ロボぉ!」 ニコは少し笑っていった 後ろからよっちゃんの嗚咽が聞こえる。 よっちゃんってこんな泣く人だったんだ。友情とかに弱いんだろうな、とニコは思った。 今日はみんな違う人に見える。みんな別の顔を持ってるんだ。 それが大人になるってこと?ニコは誰かに聞きたかった。 「紹介するわ。こちらが依頼人の敷島亜紀さん」 そこにいたのは社長と同い年くらいの女性だった。 「どうも敷島です。あなたたちがニコちゃんとロボくんね」 ロボは少し驚いていた。ニコも。 男だと思っていたからだ。 「あ、あの敷島さん?」 ニコはおそるおそる聞いた。 「亜紀でいいわよ」 「あの、亜紀さん?私たちもいいですか?捜査に参加させてもらっても」 「それは、私じゃなくてマキに聞くべきでしょ?」 ニコは社長の方をスッと向いた。 社長は黙ってコクリとうなずいた。 ニコはロボのほうを少し見た。ロボもニコのほうを少し見た。 「そろそろパーティーがはじまるわ。あなたたちはできるだけばれないようにして」 「亜紀さん。分かってます」 ロボは敬礼みたいな動きをした。 よっちゃんはまだ泣いている。 ニコは社長の元に近づき、耳元でさっきの作戦について説明した。 社長は、「いいわ。」と快諾した。 頭の回転の速い人だ。とニコは思った。 ぞくぞくと客が入ってきた。 社長の誕生日パーティーと銘打っただけでこんなに人が集まるのか。 とニコは変に感心してしまった。 やはり社長というべきか裏の社会に住んでそうな人たちばかりが客としてやってくる。 風貌だけでいえば全員殺し屋のような気がする。 「ニコぉ~・・・怖いよ~なんか怖いよ~」 ロボはニコの赤いドレスをつかんでいる。 「ちょっと、男でしょ!しっかりしなさいよ!」 ニコはロボにあきれながら、入り口に目をやった。 よっちゃんは受付で客を見極めている。 よっちゃんはよっちゃんなりに調べているようだ。 30分ぐらいすると会場が満杯になった。 ニコは一応耳に神経を集中して全員の心音を聞いていた。 人が少し多すぎたせいか、ノイズのように聞こえたが、特に不審なものはなかった。ロボ以外は。 「ちょっと、ロボ。なんでそんなに心拍が早いの?」 ニコはロボの胸に手を当てた。 はやく鼓動を打ってる。 「だって、なんか怖いし、それに、ニコのそばにいると、なんか・・」 耳を真っ赤にしてうつむくロボ。 「この変態オタク!」 ニコはうれしかった。ロボを抱きしめたくなった。 だからニコはロボの目を見つめた。 ニコの耳まで赤くなっていた。 「ニコ・・」 ロボが目を閉じてニコに顔を近づけようとした瞬間 司会の声が響いた 「それでは本日の主役、真境名マキさん。ご登場ください!」 ざわついていた会場が水打ったように静まるや否や大きな拍手に包まれた。 舞台袖から出てくる社長。 満面の笑顔を浮かべている。 ロボはすごいなと思った。命を懸けているのになんでこんな表情ができるのだろう、と。 舞台の袖には亜紀さんが心配そうに見つめている。 やさしそうな人だとニコは感じた。 社長にキンキンとしたスポットライトが当たっている。 すると社長はいきなり 「この中に、殺し屋がいるでしょ?」 と言った。 これにはニコもびっくりした。 タイミングが早すぎると思ったからだ。 しかし社長も考えていた。不意打ちとはこうでなくては意味がない。 このタイミングは正解だったとしかいいようがないのだ。 そしてすぐにニコはタイムロスを起こさないように神経を集中した。 そして、ニコはすぐにこの作戦のケアレスミスに気づいた。 当たり前だ。 こんなことをしたら誰もが心拍数は早くなる。 波紋がすべての客に効いてしまっては意味がないのだ。 しまった。ニコはそう思った。 ところが、不幸中の幸いというべきか。 ニコは絶対的な異変に気づいた。 舞台の上の人たちだけ心音が変わっていない。 社長、亜紀さん、司会の三人だ。 しかもこの発言をすることはこの三人の中では発言者、つまり社長しか知らなかった。 これで、平静を保っている二人。 おかしい。 しまった。やられた。 ニコは叫んだ。 「宇宙で社長を救えるのは私だけ!!!!」 同時に全速力で舞台にかけた。 ロボもそれに続いて走った。 「宇宙とか言われるとときめくって言ったろ!!!ニコ!!」 よっちゃんもすぐに走った。 「しゃちょぉぉおおおお!!!!」 司会はすぐに壇上から降りニコに拳銃を向けた。 「おい!動くな女ぁ!」 ニコとロボとよっちゃんの動きが止まる。 会場がざわつく 壇上では社長が亜紀さんに捕らえられている。 「あ、亜紀!?ど、どういうこと?」 亜紀さんはにったりと微笑むと映画のように首の根元からその顔の皮をはずした。 中からは20代前半の女性が出てきた。 「私、亜紀じゃないわよ。私、殺し屋。ビターチョコレート。」 うっすら微笑むと社長に拳銃を向けた。 司会も続くように言った 「同じく殺し屋。ピーナッツ」 ニコはまるで映画だと思った。 ニコはどうやってピーナッツから拳銃を奪うかを必死で考えていた。 壇上では社長がビターチョコレートに戸惑いながら尋ねている。 「あなたたち、いつから騙してたの?」 「はじめからよ。あなたに敷島として依頼をしたのも私。 本当なのは私たちがあなたを殺すように依頼されたことだけ。」 「なんでわざわざこんなことするの?いつだって殺すチャンスはあったはずよ?」 社長は冷静だ。ニコはそれを聞いて少し冷静さを取り戻した。 「私たち、派手なことが好きなの。ねぇ?ピーナッツ?」 「ああ、なんならここにいる奴ら全員殺してもいいんだぜ」 「殺すんなら、私だけにしなさい!」 社長は叫んだ。 「うるさいわね。あそこの部下三人を殺すとこを見せてあげようか!?」 「・・・あなた声も変えれるのね」 社長はビターチョコレートに言った。 「ええ、驚いた?変装は完璧なの。だから私たち殺しを失敗したことないの。みんな油断するからね」 社長はニコをちらっと見た。 ニコは社長の言いたいことが分かった。そんな気がした。 ニコはとっさの判断で声を出していた。 「私が本物の真境名マキよ!!!」 社長の声でニコが叫んだ瞬間、ビターチョコレート&ピーナッツはニコに釘付けになった。 その動きをよっちゃん、ニコ、そして社長は見逃さなかった。 よっちゃんとロボは最短距離でピーナッツに体当たりをかました。 そして社長はひじでビターチョコレートのはらを叩き、その腕の中から抜け出した。 ピーナッツの上に飛び乗るよっちゃんとロボ。 よっちゃんはピーナッツから拳銃を取り上げ入り口に向かって投げた。 ロボは必死に押さえ込んでいる。 ビターチョコレートは腹を押さえながらも拳銃だけは離していなかった。 うしろにすこしよろめいた時にビターチョコレートはニコと目があった。 ビターチョコレートは社長に拳銃を向けるよりも先にニコに拳銃を向けた。 「先に殺すべきはあんただったのね」 ビターチョコレートは亜紀の声で言った。 ニコに向かって拳銃を向けるビターチョコレート。 よっちゃんはスーツから自分の拳銃を取り出した。 そしてコンマ1秒くらいでそれを彼女に向けた。 よっちゃんの声が響いた 「撃ったら撃つぞぉ!!!」 ニコはその瞬間、生きたい、と思った。 感情の波がニコを襲い、彼女の体の自由を奪っていた。 足が動かなかった。いや、正確には動かせなかった。 ニコは逃げたい、生きたい、そう思うと 自然と涙を流していた。 そしてこの世で初めて愛した人の名をつぶやいていた 「ロボぉ・・」 ロボは頭で考えるより先に飛び出していた。 「ニコォおおおおお!!!」 ニコの前に立ちはだかるロボ。 社長はそのとき三日坊主のことを思い出していた。 私の前にニコは立ってくれた、そして今ニコの前にロボが立っている。 「二人とも死になさい。」 ビターチョコレートの声が冷たく響いた。 銃声音と乾いた匂いが会場をつつむ。 ライトに照らされた煙の発信源はよっちゃんの拳銃だった。 壇上には倒れるビターチョコレート。 手からボタボタと血を流している。 「痛いぃいいい!!このぉおおおおおおおお!!!」 壇上で暴れるビターチョコレート。 まだ拳銃をつかもうとしている。 ロボはすかさず拳銃を奪い投げ飛ばした。 社長とニコはその場にへたりと座り込んでしまった。 ピーナッツは怒りで周りが見えてなかった 「おいこらぁああああああ!!!」 しんとした会場に二人の叫び声だけが響いていた。 本当に疲れた。 そして心底怖かった。 生きたいと思った。 寿命が縮まるとはこのことなんだとニコは思った。 ロボは大人のくせにさっきから車の中で泣いている。 「ニコぉ!!生きててよかったね!!生きててよかったぁ!!」 ロボも相当怖かったのだろう。 私の前に立ちはだかってくれたロボ。 今、私の隣で泣いているロボは子供のようだ。 昔のロボだ。 「ニコ、本当にありがとな。お前スパイの素質あるよ。」 よっちゃんもほとほと疲れた声でニコに向かって言った。 「もう、あんなこと嫌。私、怖かった。ねぇ、ロボ?」 「ニゴぉおおお!怖かったよぉ!」 わんわん泣くロボの頭をなでるニコ。これじゃどっちが子供か分からない。 「でも、ロボは私の前に立って守ってくれようとしたじゃない。」 ニコはロボを慰めるように優しく言った。 社長は少し黙って口を開いた。 「あのね・・・。私、あの時三日坊主のこと思い出してたの。 ニコ、あなたが私の前に飛び出してくれたじゃない? それとすごく似ているなって思ったの。 ロボとあなたとても似ているのかもね」 「私が?ロボと?」 「うん、本質的な部分が。案外結婚でもしたら上手くいくんじゃないかしら?」 ニコは黙ってしまった。 そういえばまだロボから答えを聞いてない。 ロボはまだわんわん泣いている。 まだ答えは聞けそうにない。 でも答えは分かってる。 あの時、飛び出してくれたロボ。 抱きしめてくれたロボ。 今、子供のように泣いているロボ。 大人のようなロボ。 全部、それら全部がロボなんだ。 ロボがロボであることは変わらない。 きっと何十年後も。 だからいつかきっと言える。 「ロボ。好きよ。ありがとう。」 ニコはロボの頬にキスをした ロボは少しニコのほうを見ると、微笑んで少し強く抱きしめた。 誕生日パーティーが後日地蔵堂で開かれた。 ニコはまた赤いドレスを着てきた。 そしてロボはまた赤い鼻血をたらした。 変わらないロボ。 社長とよっちゃんも変わらず、まだ地蔵堂を続けている。 いつかこの日々が変わるかもしれない。 世界が変わるかも知れない。 プッチーニの時のように。 もしかしたら地蔵堂がなくなって ロボとしゃべらなくなる日がいつか来るかもしれない。 でも私のこの気持ちだけはいつまでも本物だ。 ロボを愛してるというこの気持ちは。 そして抱きしめられたことも 少し苦かったあなたの頬へのキスも 全部本物だ。 だから、お願い、ロボ もう少しだけ 変わらないでいて Voice11に続く。 4-287様 ねずみ男(セクシーボイスアンドロボ2) へ続く
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/4947.html
主人公一族の職業 キリキザン:剣士 こうげきとぼうぎょを上げると尚良し ジュカイン:薙刀士 薙刀の代わりにリーフブレードを サンドパン:弓使い 矢の代わりにどくばりを スピアー:槍使い ダブルニードルが槍っぽく見えるので コジョンド:拳法家 かいひりつを上げると尚良し ブーバーン:壊し屋 すばやさを上げるのは× ゴルーグ:大筒士 ラスターカノン必須 キレイハナ:踊り屋 こうげきを上げるのは× -- (ユリス) 2012-07-06 21 32 18 草案 キャラクター キルリア:主人公一族 ケルディオ(かくごのすがた):イツ花 バシャーモ:黄川人 エルレイド:源太 ハハコモリ:お輪 ボルトロス トルネロス:雷電五郎/太刀風五郎 ミロカロス:敦賀ノ真魚姫 キュウコン:九尾吊お紺 ニャオニクス:赤猫お夏 ソルロックorウルガモス:太照天夕子 -- (ユリス) 2015-09-04 08 44 37 ↓修正 敦賀ノ真魚姫→敦賀ノ真名姫 -- (ユリス) 2016-12-16 20 28 01 主人公一族の職業 ダイケンキ:剣士 和風剣士といえば。 ジュナイパー:弓使い ルカリオ:拳法家 ドデカバシ:大筒士 分類がおおづつポケモンなので オドリドリ(まいまいスタイル):踊り屋 和風の踊りといえば。 -- (麻宮穹(あさみやそら)) 2018-02-01 23 09 38 草案 キャラクター ガラガラ(アローラのすがた):大江ノ捨丸 トゲキッス:片羽ノお業 グラードン:焼津埜若銛 ホルビー:宇佐ノ茶々丸 ドンカラス:やたノ黒蠅 ヤジロン:七枝タケル ゼブライカ:風馬慎兵 カエンジシ:雷王獅子丸 オドシシ:お地母ノ木実 ブリーのみ必携 クレセリア:飛天ノ舞子 マフォクシー:夜鳥子 -- (ユリス) 2018-02-02 19 37 53 主人公一族の職業 ジャローダ:薙刀士 薙刀の代わりにリーフブレードを ガラガラ:壊し屋 ふといホネ必須 神様 フライゴン♀:おぼろ夢子 フライゴン♂:おぼろ幻八 ナマズン:土々呂 震玄 ダーテング:虚空坊 岩鼻 ファイアロー:赤羽根天神 アリアドス:土公ノ八雲 エレキブル:黄黒天吠丸 ペンドラー:百足 お銀 オクタン:八手ノお墨 グレイシア:六ツ花御前 カプ・レヒレorアシレーヌ:敦賀ノ真名姫 キュレム:氷ノ皇子 ニャヒート:赤猫お夏 ヒヒダルマ:七天斎八起 ゴウカザル:タタラ 陣内 孵化場所:タタラせいてつじょ(名前的に) ブルンゲル:水母ノくらら ドラミドロ:みどろ御前 名前ネタ ルガルガン(まよなかのすがた):十六夜伏丸 ヌメルゴン:嘗祭り露彦 ケロマツ:還ノ皇女 キマワリ:天道葵 -- (麻宮穹(あさみやそら)) 2018-02-02 21 06 04 草案 キャラクター ブイゼル:コーちん ヌケニン:安倍晴明 ディアンシー:田鶴姫 メレシー:力丸 神様 ゲンガー:黒曜斎影彦 ゼルネアス:鹿島中竜 リングマ:熊祖権現 リザード:火振り童子 ジガルデ(50%):淀ノ蛇麻呂 サンダース:怒槌丸 シュバルゴ:根来双角 バクフーン:愛染院明丸 リザードン:天目炎耳 ハスブレロ:白浪河太郎 エルフーン:鳳あすか ガオガエン:陰陽児中 ゾロアーク:稲荷ノ狐次郎 色違いジュカイン:黒鉄右京 メガゲンガー:三ツ星凶太 ゾロア:鳴神小太郎 某ブショーの名前から カメックス:万屋玄亀 バッフロン:八坂牛頭丸 ナゲツケサル:石猿田衛門 マグマッグ:火車丸 エンテイ:大隅爆円 ケンホロウ:孔雀院明美 マクノシタorメタモン:餅乃花大吉 後者は顔が似ているので ピジョン:赤羽天神 ハブネーク:月食い夜刀介 レジギガス:崇良親王 ネイティオ:梵ピン将軍 スイクン:金翔天竜馬 エンブオー:不動泰山 ウソッキー:木霊ノ寝太郎 ヨルノズクorジュナイパー:鎮守ノ福郎太 ジーランス:仙酔エビス おいしいみず必携 ルナトーンorルナアーラ:月光天ヨミ ヨノワール:光無ノ刑人 ビビヨン(ていえんのもよう):虫寄せ花乱 デリバード:十文字聖夜 ジグザグマ×2:紅梅白梅童子 コイキング:滝のぼり金太 ホウオウ:虹乃丞七変化 ウォーグル:鷲ノ宮星彦 バシャーモ:ささらノお焔 クロバット:羽黒ノお小夜 ニャース(アローラのすがた):福招き美也 アーボック:美津乳姫 ケケンカニ:松葉ノお甲 キングドラ:伊吹の宮静 某ジムリーダーの名前から ファイヤー:若草山萌子 クルマユ:白虫お真由 シャワーズ:速瀬ノ流々 ウデッポウ:葦切四夜子 オドリドリ(めらめらスタイル):二つ扇ノ前 ポポッコ:風車ノお七 ミミロップ:陽炎ノ由良 シェイミ:東風吹姫 色違いサーナイト:泉源氏お紋 ビビヨン(はなぞののもよう);椿姫ノ花連 -- (ユリス) 2018-02-03 15 49 25 神様 イルミーゼ:魂寄せお蛍 ニャース(アローラのすがた):福招き美也 パールル:葦切四夜子 キングラー:松葉ノお甲 ミノマダム(すなちのミノ):木曽ノ春菜 マリルリor色違いミミロップ:稲葉ノ美々卯 オニスズメ:春野鈴女 名前ネタ ゼニガメorポッチャマ:地蔵堂円子 レントラー:印虎ひかる ピジョット:野分の前 もちもの:ノワキのみ ジュゴンorトドゼルガ:苗場ノ白雪姫 エーフィ:鏡国天有寿 隠れ特性マジックミラー必須 トゲキッス:片羽ノお輪 チェリム:ほろ酔い桜 キングドラ:下諏訪竜実 色違いキングドラ:上諏訪竜穂 ドレディア:百合唐蝶子 ちょうのまい必須 -- (麻宮穹(あさみやそら)) 2018-02-03 16 08 33 草案 神様 カプ・コケコ:伊勢庭沙門 ムーランド:常夜見玄白 サメハダー:八尋鰐彦 フタチマル:入谷朝近 某ブショーの名前から ドンファン:歓喜ノ舞 コバルオン:青銅ノ闘鉄 ユキワラシ:若竹コサン ヘルガー:愛宕屋モミジ 某幹部の名前から フラエッテ(ピンクのはな):桃果仙 モモンのみ必携 ガメノデス:秋葉48菩薩 レパルダス:豹尾院雅羅 スピアーorアーゴヨン:黄金ノ二荒 モロバレル:紅笠お誘 トサキント:錦非女 ネンドール:荒吐鬼ペコ ダルマッカ:宇迦ノ豊姫 フラエッテ(きいろのはな):坂上菊理媛 -- (ユリス) 2018-02-04 11 58 06 壊し屋は、特攻or特防が下がる性格で、技の成長にマイナス補正を再現。 踊り屋は、特攻or特防が上がる性格で、技の成長にプラス補正を再現。 壊し屋と大筒士は、かいひりつを下げると尚良し。 踊り屋は、かいひりつを上げると尚良し。 壊し屋は、めいちゅうりつを下げると尚良し。 拳法家は、めいちゅうりつを上げると尚良し。 -- (麻宮穹(あさみやそら)) 2018-02-26 23 21 06 草案 キャラクター ジュペッタ:鬼頭 主人公一族の職業 オニゴーリ:鬼頭 こうげきを上げる尚良し。 タブンネ:陰陽士 なかまづくり必須 -- (ユリス) 2018-08-20 21 29 53 できれば、 主人公一族は、 元服前はたねポケモン~中間進化系 元服後は最終進化系がいいかも。 できれば、 属性は、 火:ほのおタイプ中心 水:みずタイプとこおりタイプ中心 風:ひこうタイプとでんきタイプ中心 土:じめんタイプといわタイプ中心 がいいかも。 神様 ソルガレオorウルトラネクロズマ:太照天昼子 ホウオウ:朱星ノ皇子 主人公一族の職業(元服前) ミジュマル→フタチマルorコマタナ:剣士 モクロー→フクスローorサンド:弓使い リオルorコジョフー:拳法家 ツツケラ→ケララッパ:大筒士 カラカラ:壊し屋 ふといホネ必須 主人公一族の職業(元服後) ダイケンキorキリキザン:剣士 ジュナイパーorサンドパン:弓使い ルカリオorコジョンド:拳法家 ドデカバシ:大筒士 ガラガラ:壊し屋 ふといホネ必須 -- (俺の屍を越えてゆけ) 2018-08-20 22 10 56 草案 ダンジョン 豊穣の杜:鳥居千万宮 エンジュシティ:双翼院 マダツボミの塔:九重楼 古代の城:白骨城 シロガネ山:大江山 魂の家:親王鎮魂墓 アサギシティ:紅蓮の祠 トージョウの滝:忘我流水道 キキョウシティ:地獄巡り -- (ユリス) 2018-10-06 17 56 57 草案 楽曲 くさタイプのポケモン全般:花 -- (麻宮穹) 2021-10-02 11 04 37 草案 登場人物 オニゴーリ:鬼頭 -- (ユリス) 2021-10-09 15 01 45 草案 主人公一族の職業(元服前) キモリ→ジュプトル:男薙刀士 ツタージャ→ジャノビー:女薙刀士 モクロー→フクスロー:弓使い カラカラ:男壊し屋 ふといホネ必須 カヌチャン→ナカヌチャン:女壊し屋 主人公一族の職業(元服後) ジュカイン:男薙刀士 ジャローダ:女薙刀士 ジュナイパー:弓使い ガラガラ:男壊し屋 ふといホネ必須 デカヌチャン:女壊し屋 -- (麻宮 穹(あさみや そら)) 2024-04-19 21 23 38 草案 フーパ(いましめられしすがた) 晴明の父 -- (ユリス) 2024-04-20 08 53 22
https://w.atwiki.jp/yumesatomura/pages/30.html
奥の宮ってどこですか - 名無しさん (2022-10-26 22 28 50) 久しぶりにログインしたら、ロープウェイが追加されていました。ぶひなつめ - ティーバッグ (2022-07-12 00 06 42) 部品集めと設置工事が結構大変です。登りにくい丘に登ったり、マンション屋上の作業が多いです。 - ティーバッグ (2022-07-12 00 11 46) 夢里サーバーが落ちているようですね、つながらないです(ノ_・。) - ティーバッグ (2020-07-25 22 53 47) 自己解決です、サーバ移転していたことをweb検索で知りました。Appストアでアップデートしないと、動かなくなるのでご注意下さい。 - ティーバッグ (2020-07-29 12 31 52) 地底地区のだいたい池の大島の南あたりに奈落休憩所を発見しました - 名無しさん (2020-02-16 13 47 55) 未のおはじきのある社、全体をぐるっと回って発見すらできないのですが、ヒントをいただけたら幸いです - ゆめゆい (2019-12-26 06 27 13) 赤玉でエレベーターを手に入れた!! - ティーバッグ (2019-11-19 00 33 21) iPhone6より以前の機種でもプレイ出来ますが、龍の玉の効果が得られない仕様であることが判明。iPhone7以上を推奨。余っている古いiPhone利用の場合はご注意ください。 - ティーバッグ (2019-09-14 17 29 27) 情報ありがとうございます。トップページに反映します。 - 詩喩 (2019-09-14 17 37 42) 片方の鍵というアイテムを手に入れたんですけど、なぜか手に入れたアイテム一覧には載っていません。なんのアイテムかどなたかご存知ですか? - シロ (2019-09-13 20 48 00) 天空の鍵というアイテムを手に入れるための部品です!詳細はアイテム一覧をご覧くださーい。 - 詩喩 (2019-09-14 00 38 49) 最近白い紙みたいなものがヒラヒラ飛んでます、ヘリコプターとやらですかね??🤔 - まおまお (2019-09-12 11 57 28) 湖の中で散策中にヒラヒラが降ってきました。水面に落ちた瞬間に千両箱に変わるのを目撃!10分程度の間に2回ありました。 - ティーバッグ (2019-10-02 19 55 21) もう少し分かりやすいヒントを追加します。 - 詩喩 (2019-09-11 15 57 40) ヒントになるか分かりませんが、歯車の問題追記しました。 - 詩喩 (2019-09-11 16 44 54) 歯車とても難しくないでしょうか。笑 - まおまお (2019-09-11 13 41 52) 編集して下さってる方々、本当に役立っています!ありがとうございます!頑張りましょうね♫ - まおまお (2019-09-11 00 49 54) 湖底に遺跡のようなものが沈んでいました、イベントのときに使うのでしょうか。 - ティーバッグ (2019-09-10 16 29 52) シュノーケルがあれば、湖底の回遊も出来ます。道の無いところに登山して龍の玉があれば絶景を楽しむことも出来ます。 - ティーバッグ (2019-09-10 16 32 57) 1-8-6の横の丘から登りはじめて登山できます。高いところから酉の地蔵堂の特殊地形を観測できます。どうやってこんな所に建てられたのか謎ですね。 - ティーバッグ (2019-09-10 20 41 41) 一部のおはじき、斧、小ネタ・小技を追加しました。ネタバレ防止のためアイテム一覧をクリックで表示に変更しました。 - 詩喩 (2019-09-10 09 12 38) いつも情報ありがとうございます。 アイテム情報を頂く時には正式名称(アイテム一覧で表示される名前)で頂けると大変助かります。 - 詩喩 (2019-09-09 15 37 37) アイテム入手の極意「恐れずに積極的に落ちてみる」です。 - ティーバッグ (2019-09-09 06 50 26) 東屋めちゃくちゃ重要ですね。書いておきます。 - 詩喩 (2019-09-09 01 49 33) 南京錠は何に使うものでしょうか? - 名無しさん (2019-09-09 01 42 09) 南京錠って名前のアイテムがあるんですか?情報をお持ちの方いたらお願いします。 - 詩喩 (2019-09-09 09 13 23) シロさんありがとうございます♫ - まおまお (2019-09-08 13 16 09) 岩ノ下休憩所の後ろの山を、登れそうなところ上がって、休憩所の真上に落ちるとゲットできます。そしたら訪れたことのある休憩所や神社にワープ可能に。 - シロ (2019-09-08 11 34 49) アイテム欄に東屋がなかったので書込み - シロ (2019-09-08 11 31 55) シュノーケルを使用する場所のヒントって頂けますか……! - 名無しさん (2019-09-08 02 53 14) 地下洞窟は何か仕掛けあるんでしょうか??探ってはいますが……うーん🤔灯篭の中の球体が気になります。 - まおまお (2019-09-07 15 32 51) なんかめっちゃデカイ招き猫いてビックリしました。笑 ぶつかると飛ばされますね😳 - まおまお (2019-09-07 11 41 33) アイテム一部反映しました - 詩喩 (2019-09-07 01 35 50) カギは、看板どおり「同じ太陽(=同日)」に「ふたつの木」にアクセス、だから半分のカギです。 - ティーバッグ (2019-09-06 20 57 04) ストーンヘンジの木と同じ濃い緑色の木が地図にあります。 - ティーバッグ (2019-09-06 21 00 01) すこしだけwiki追加しました。よくある質問とかですね。 - 詩喩 (2019-09-06 01 51 06) 中宮に置いてある板と同じマークの看板にヒントが書かれています。 - ティーバッグ (2019-09-04 20 54 49) ありがとうございます!探します( •'-'•)و✧ - まおまお (2019-09-05 09 02 43) 地図の中宮です。ヒント:しー○ーさんのお家が目の前です。 - ティーバッグ (2019-09-04 20 50 38) かなづちとオノ、難しいです。。かなづちの神社はマップで見たところのどの辺りか、ヒントいただけませんでしょうか! - まおまお (2019-09-04 17 00 34) 迷路の突き当たりで画びょう見つけました! - まおまお (2019-09-03 14 24 11) 骨組みだけの吊り橋で、一度落下したところで踏み板をゲット。板を持って再挑戦すれば通過できます。 - ティーバッグ (2019-09-02 15 36 40) 入村して数日経ちますが謎だらけです。コケシにブィーーーンって何度も飛ばされて泣いています。 - ティーバッグ (2019-09-02 15 32 24) 懐かしくて嬉しい気持ちですが、慣れるまで時間かかりますね🤔村の構造わかりにくいですね…… - まおまお (2019-09-02 12 18 29)